8月25日(火)、都内にて10・31「Krush.193」後楽園ホール大会のカード発表会見が行われた。
ライト級タイトルマッチ、王者・大岩龍矢に児玉兼慎が挑む一戦。児玉は昨年9月、ライト級次期挑戦者を選定するという名目で2試合が行われた大会で大谷翔司に判定勝利したが、その試合の前から目を負傷しており、手術のために欠場。大岩にはもう1戦でKO勝利した篠原悠人が挑戦し、大岩が初防衛に成功した。
児玉は今年5月にRIZINでMMAも経験。大岩は同じ5月のK-1で永澤サムエル聖光に敗れた。昨年9月の試合が決定した時点から、タイトル挑戦を熱望する児玉は王者・大岩を激しく挑発していたが、ここでようやく実現する形だ。
2選手が登壇し、試合への意気込みを述べる場面で、児玉が宮田充プロデューサーに「この試合、これで決定ですか」と確認。この一戦は内々で9月大会での開催の話があったものの、大岩のコンディションの関係で10月にスライドしたという経緯があったのだという。児玉はその件で大岩に「逃げただろ」と激しく追及。正式決定ではなかったため、王者・大岩は逃げたわけではなく、「逃げてねえよ」と反論。だが会見中、ことあるごとに児玉はそのことに言及し、そのたびに大岩が反論するという場面が繰り返された。
児玉は「(いったん)9月でお前がOKしたんじゃん。こっちはそのために準備してさ、俺の応援団にも連絡してさ、そのために航空券取ってもらって、で、なんでお前のキャンセルで俺が詫び入れてさ、ずらさなきゃいけないの、予定を。『すみません』じゃねえのかよ、カス」といった調子で大岩を激しく責め立てる。これに対し大岩は「お前から逃げるわけねえだろ、全然。全然逃げる気ないけど」と応戦。会見は一時、異様なムードに包まれた。
やや落ち着くと、大岩は改めて試合への意気込みをこう述べた。
「本当に逃げてもいないし、でもただ、やっぱりチャンピオンとは何かって考えた時に、正直、チャンピオンになって最初の試合(24年11月、トーマス・アギーレ戦)で負けちゃってるし。防衛戦はクリアしたけど、またこないだの試合(永澤戦)も負けちゃって。正直、いろいろ考えましたよ、ベルト返上しようかなとか。正直ベルトがない方が楽ですしね、気持ちも。いろいろ考えたんですけど、でもやっぱり、『チャンピオンとは何か』って自分の中でテーマを考えたに、逃げ出さないことだなと。だから全然逃げてないし、俺も最高なパフォーマンスで試合して、児玉選手とぶつかりたいし。ずっと俺のことをこうやって追いかけてくれて、それも感謝してるし。だから、練習できない状態で試合しても、何もいいものを見せられないから」。
この発言にも、児玉は「お前、チャンピオンがイヤなんだったらすぐ返上しろ、バカ」と割り込む。
質疑応答では、以下のやりとりが行われた。
──率直に相手のことをどう思っている?
児玉「俺は逃げてたなと思います」
大岩「(これだけ言われても)全然ムカつきもしないし、ただここでもう、夢を終わりにさせます」
──当日はどういう勝ち方をしたい?
児玉「俺は一方的にボコボコにするだけっすね。こいつの攻撃は当たんないっすね。こいつの得意技、右フックは絶対当たんないっす、俺には。
俺のジャブと右ストレートで、こいつはボコボコにされて顔が腫れてるだけっすね」
大岩「右フック、最近やってないし(笑)。ちゃんと動画見てれば分かるよ。まあ、闘うのは当日なんで。いろいろうるさいけど、もう当日見とけよって話です」
──児玉選手はRIZINでMMAを経験しましたが、その経験は今回どう生きる?
児玉「Krushでタイトルマッチをやる予定だったんですけど、チャンピオンのコイツが忙しいらしくて、なかなか試合ができなかった時にRIZINにチャンスをいただいたんで、こんなチャンスないと思って出て。MMAの練習もしっかりやって、すごく体が強くなったっすね。MMAにやり返す気持ちはもちろんあるんですけど、それもこの試合に勝たないと、本当に先のことは何もないと思うんで、しっかりこの試合に集中しようと思います」
──大岩選手はその試合を見た?
大岩「僕は見てないですけど、友達か送られてきて。負けてんじゃねえよ、と思いました。でも正直、別に(児玉に)こだわってやるストーリーではなかったんですよ、俺も。ただ前回、(永澤に)負けちゃったから、しょうがなくこだわって。今は気持ち定まったけど、もともとは別にこだわってやる気はないし。ただ、ラブコールもいっぱいいただいたので、そこはしっかりと受けようと思います」
──お互いに、相手の選手としての実力をどう評価している?
児玉「実力はあると思いますけど、大岩くらいに勝てないと、俺もこれからやっていく意味もないと思うんで、ちょうどいいレベルですね」
大岩「正直、実力的にはまだな、別にやる相手じゃないと思ってるんでけど、自分が結果的に(永澤に)負けちゃったんでね。負けをしっかり返すっていうか、逃げることもできたと思うけど、逃げたくないっすよね。だからやる、それだけっすね。
──チャンピオンのテーマとしては、圧倒的な差を見せて勝つ?
大岩「圧倒的な差というか……経験上、だいたい分かるんですよ、こういうパターンって。だから頑張ってくださいっていう感じです」
──この試合はどういう決着が一番望ましい?
児玉「KOじゃないっすか、(大岩は)KO負け少ないですけど、KOを狙ってますよ」
大岩「バチバチに気持ちがぶつかり合えばいいんじゃないですか。KOとは言わないですけど、盛り上げたいですよね。超満員にしたいです。
最近ちょっとまたKrushが満員になってないので、この試合は超満員にしたいですね。盛り上げたいです。あと今、自分の事業というか、『ONE EIGHT』っていう、キックボクシングのコミュニティを作ってて。選手、地域、社会に、新しい価値を届けるっていうのをやっていて、けっこういい感じに進んでるんですよ。まだ格闘技を見たことない人たちも、けっこう興味を持ってくれていて。今回、そういう人たちにもけっこう来てもらえると思うので、格闘技の面白さを伝えたいです、この試合で。
なので、そういう試合をしましょう」
最後に両選手はファンへのメッセージをこう述べた。
児玉「今回、日晴グループ株式会社 日晴建設さんが冠協賛に入ってくれました。正直言うと、僕は5歳から空手を始めて、15歳でキックボクシングにハマって、18歳で上京してシルバーウルフに入って、もう7年目になるんですよね。このベルトが欲しくてずっと僕はやってきて、俺は自分にも弱いし、辞めようと思ったことは何回もあるけど、応援してくれる人もいるし、このベルトが欲しいから、俺は何とかずっと続けてこれました。なので、必ず俺は、何が何でもこのベルトを獲ります。10月31日は、僕がベルトを獲る日を楽しみにしてください。それを獲らないと、皆さんに期待してもらってるMMAだったりとか、その次に進めないと思うんで、俺は必ずこのベルトを獲ります。じゃないと、僕はたぶん終わりだと思ってます。それくらいの覚悟で獲りにいきます」
大岩「本当に、いつもたくさんの人に応援してもらって、自分も、本当に今の児玉選手のように熱い気持ちでベルトを獲りましたし、そういう気持ちは常に持ってますし、絶対、負けられないのはもう当たり前なんで。チャンピオンとして、負けからまた這い上がる姿、立ち上がる姿を、もうリングの上で感じ取ってもらえたら一番うれしいと思ってます。
キックボクシングも格闘技ももっともっと、本当にスポーツとしてもっと伝わればいいなと思ってるので、何か感じてもらえるような試合を見せたいと思います。そして必ず勝ちます」
荒れたものの、タイトルマッチに向けての両者の気持ちは十分すぎるほど伝わってくる会見となった。10月31日、リング上ではこの両者の思いが、激しい攻防となって展開されるはずだ!