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「Krush.187」2.28(土)後楽園 <インタビュー>伊藤健人「Krushのベルトをずっと目標に格闘技人生を送ってきて、それを巻いて次の目標ができたので、その一つの過程の目標にたどり着けたことは、人生の中でもメチャクチャ大きかった」

 2月28日(土)後楽園ホールで開催される「Krush.187」で引退セレモニーを行う伊藤健人選手のインタビューを公開!






──昨年2月の試合が最後で、SNSで引退を公表したのが昨年末でした。実際に引退を決めたのはどういうタイミングだったんですか?


伊藤 決めたのは試合後すぐというわけではなくて、10月とか11月ぐらいですかね。ずっと考えてはいたんですけど、7月にチームの選手の試合が終わって、ちょっと考え始めてた感じで。それまではずっと一緒に練習しながらだったので。


──最終的に決めたきっかけは?


伊藤 ダメージですね。みんなあると思うんですけど、自分のダメージも溜まっていたので


──活動期間が長かったので、それだけ溜まりますよね。


伊藤 そうですね。うまい選手じゃなかったので(笑)。


──いやいや。しかも、激しい試合が多かったじゃないですか。


伊藤 あとは、ボクシング界での不慮の事故が続いたのも、きっかけにはなりました。そういうのもあって、考えるきっかけをいただいたというか。


──最後の決断は、しっかりと決めらましたか?


伊藤 皆様への挨拶が、何ともやりづらかったですね。いろんな感情があったので、その挨拶が一つ、自分の中でハードルだったというか。今までは「必ずK-1チャンピオンになるので」って言い続けてたんですが、それを自分で諦める形になるので、そこがちょっと苦しかったんですけど。でも辞める連絡をしても、逆に温かい言葉をかけていただいたりもしたので、辞めてもなお、周りの人に感謝するというか、ありがたいなと思います。


──今振り返ると、キャリアの終盤にKrush王座にたどり着いたことは、かなり大きかったですよね。


引退を決めるきっかけですか。


伊藤 そうですね。Krushのベルトをずっと目標に格闘技人生を送ってきて、それを巻いて次の目標ができたので、その一つの過程の目標にたどり着けたことは、人生の中でもメチャクチャ大きかったですね。それで一つの自信がついたというか、やってきたことが、良くも悪くも自分次第だったなというのはつながりました。


──正直、人よりは時間がかかりました。今回の引退セレモニーの告知バナーにも、「傷だらけの王者は、何度でも立ち上がる」という言葉が入っています。そこまで諦めずに来れたのは、今思えば何ですか?


伊藤 そうですね……負けがもし「傷」だと仮定するのであれば、確かに傷だらけで、勝ちと負けがイーブンで終わる戦績なので、なかなかそういう選手もいないと思うんですけど。立ち上がるといっても、自分で立ち上がったわけじゃなくて、結局周りの応援があって立ち上がらせていただいたというか。立ち上がるきっかけをいただいたなと思いますし、本当に強くいられたのも応援があったからという感じですかね。


──そういう周りの力なしでは、プロ生活は成り立たなかったと。


伊藤 はい、そう思いますね、本当に。その中で格闘技を通じて、周りの方々への感謝をを知れたというか、教えてもらったというか。あとは温かさとか。


──改めて、キャリアを通じて一番印象に残っている試合はどれですか?


伊藤 どうですかね? あんまり振り返らないからむずかしいですけど……でも、来てくれたお客さんたちが喜んでいる映像はよく見ます。勝った試合の後、応援してくれている人たちが歓喜している顔の映像はすごく浮かびます。試合よりも、そこをずっと見たりするんですよ。今はもうやめた立場なので、自分の動きとかやったことよりも、そういう場面の方が残ってますね。


──やめると決めてから、寂しさとか物足りなさとかはないですか?


伊藤 どうですかね。自分で途中で諦める形になるので、悔しさは多少ありましたけど。でもわりと、自分でもビックリするぐらいスッキリしているんですよね。未練とかは何もないです。


──今はトレーナーとしてジムに残っているんですか?


伊藤 トレーナーも、一応引退式までという形になっているんです。ちょうど2月末で引退式もしていただいて、トレーナーもそこで最後という形になります。翌日からは別の道に進んでいくので。


──そうなんですか。


伊藤 本当に社会人というか、全く別の道に行きます。


──では仕事上は、格闘技関係から離れるということですか?


伊藤 そうですね。翌日からは応援する立場になります。


──そこもすぐに決められたんですか?


伊藤 いえ、そこはすごく考えました。良くも悪くも、チャンピオンベルトしか考えてないで過ごしてきてたので。だから、そこはかなり頭を抱えたし、そこが一番キツかったですね。


──その新しい道への意気込みは?


伊藤 格闘技に教えていただいた反骨心というか、やり切る力で励んでいきたいなと思っています。


──ジムの選手たちとも離れることになるわけですが、これからも戦い続けていく彼らに何か伝えるとすれば、どういうことですか?


伊藤 今、引退して思うのは、誰しもができることじゃないなということなんですよね。それはすごく痛感するので、誇りと自信を持ってやってほしいなと、それは今になってすごく感じます。やっている最中は当たり前のように思って、チャンピオンを目指して毎日練習して、勝つのが当たり前みたいな形でずっと思ってましたけど、それも応援してくれている側とか、他の人から見たら、やっぱり人にはできないことをやっているっていう自覚はあまりなかったんですよね。でも逆に、だからこそ伝えられるものが選手はあったんだなって、今になってすごく思うので、それは伝えたいですね。でもなかなか……自分も現役の時にそういうことを言われていたのかもしれないですけど、たぶん気づけなかったんだと思うし。ただ、それだけ素晴らしいこと、素敵なことをやっているんだということは伝えたいですね。


──28日、後楽園ホールでの引退セレモニーが迫ってきましたが、ソワソワしたりしてますか?


伊藤 そうですね(笑)。3日前になって、初めてドキドキしてきました。いつもは覚悟を持って、試合に向けてイメージしてたんですけど、今回はちょっとドキドキしてます(笑)。


──やっぱり試合でリングに上がる前とは、また違いますよね。


伊藤 はい。初めて「普通の人」として上がるイメージなので、やっぱりドキドキしています。


──もうリング上で話すことは決まってるんですか?


伊藤 ざっくりは決めたんですけど、ガチガチに決めて何か仰々しくなるのもイヤだなと思って。でも、いざとなって話せなくなるのもイヤだなとも思っているので、難しいところです(笑)。


──そして先日発表されたK-1 AWARDSでも功労賞が贈られました。


伊藤 ありがとうございます。選んでいただいたのは本当に光栄なことでした。僕は生涯、K-1とKrushでしか試合してないんですよ。この格闘技人生、海外の1試合を入れて36戦なんですけど、全部K-1とKrushで試合させてもらったので。


──それだけの試合数で他が全くないというのは、本当に珍しいですよね。


伊藤 そうですね。他にはなかなかいらっしゃらないのかなと思います。感謝ですね。


──では、本当に伝えたいことはセレモニーの場で言われると思うので、当日大会を見に来るお客さんに対して、一言最後にお願いできますか?


伊藤 僕は試合しない立場なので難しいんですけど、全選手がこの日に向けて全力でやってきているので、応援している選手はもちろんですけど、キャリアが高いチャンピオンレベルの選手の試合は後半にあるので、全試合を見て、その熱をもらっていただけたらうれしいなとは思います。僕が言える立場じゃないんですけど。


──いえいえ。同門の選手も出ますしね。


伊藤 そうですね。チームアスラから“DARUMA”健太と“TANK”和将という選手が出ますし、チームは違うんですけど、藤田和希もいて、仲間が3名出るので、そこは全勝してもらいたいですね。


──分かりました。では、本当にお疲れ様でした!
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