ヘビー級タイトル挑戦のK-Jee「忘れられたベルト。俺が価値を高める」=7.13 K-1福岡
K-Jeeは、24年10月のK-1 WORLD GP 2024 無差別級アジア予選でレジェンドのジェロム・レ・バンナをハイキックでKOして、本戦出場を決めた。12月のK-1 WORLD GP 2024無差別級トーナメントは準々決勝でエロール・ジマーマンにKO負けを喫し、今回、巻き返しを狙う。
ロエル・マナートは、90年代を代表する名選手にして名伯楽として知られるアンドレ・マナートを父に持ち、18年3月に当時K-1ヘビー級王者のアントニオ・プラチバットを破り、第2代王座に就いた。19年11月にクリス・ブラッドフォードをKOしてタイトルを防衛。20年1月にGLORYでセルゲイ・マスロボイェフにTKO負けを喫し、今回は約5年半ぶりのK-1での試合となる。
「福岡大会は久しぶりなので、純粋に嬉しいです。会場で見てくれる人が多いので、そこがいいなと思います。東京の大会だと交通費がかかってしまうので、なかなか会場へ来れない人も多かったですが、九州での開催だとそんなに負担にならないですからね」
――おそらく応援団も駆け付けてくれることでしょう。昨年のWGP無差別級トーナメントは準々決勝(※決勝トーナメント一回戦)でエロール・ジマーマン選手と対戦しましたが、振り返っていかがでしたか?
「まあ、試合中のアクシデントで脚を痛めて怪我をしてしまったんで、いまさら悔やんでも仕方ないですよね。でも、結果が出た後にこう言うのは何ですけど、そんなに強くなかったです。パワーはあるんですけど見やすかったです。倒したいと思っていました、動きが見えるので。でも一回戦なので、ポイント取って勝とうかなと。倒しにいくとリスクが高いので、優勝するためにもポイントで勝とうと思ったら怪我をしてしまいました」
――怪我はどんな感じだったんですか?
「力入らない。立てない、終わったという感じでした。前もあったんですよ、肉離れは。サッタリ戦(22年4月)の3週間前に肉離れしてしまい、治らないまま試合をしてKOで負けました。癖になると聞いていますので、仕方ないなと思っています」
――敗退したトーナメントの結果を見て、どんな感想を持ちましたか。
「このレベルだったか、やっぱりという感じでした。アリエル・マチャド選手は、予選トーナメントを勝ち抜いてきたので強いという下馬評でしたが、そこまでではなかったです。ヘビー級といっても、そんなに大きくもないですしね」
――では、あそこで怪我をしなければ……と気持ちが落ちたのでは。
「まあ、でもそんなことを考えていても仕方がないので。昔は落ちていましたけど、良くも悪くもたくさん負けてくると、気持ちの切り替えがうまくできるようになりました。以前は引退を考えることもありましたけど、それは越えました。今は、また挑戦したいという気持ちがあります」
――そのモチベーションは、どこにあるのですか?
「格闘技が楽しいからじゃないですか(笑)。今は、変な使命感とかないですし。昔は、チャンピオンにならないといけないとか、応援してくれる人のためにとか、すごく意識していたんですけど、やっていて楽しくないんですよね。(谷川)聖哉に負けてから、すごく落ちたんです(22年8月)。でも開き直ったら、楽しく格闘技をやっているだけだし、落ち込んでいてもしょうがないなと」
――それは勝利への執念が薄くなるか、敗北を認めて強くなれるかどちらかですね。
「どちらもあると思いますよ。薄くなることもあるでしょうけど、余計なストレスは感じなくなるので、自分はそっちの方がいい方向に行きますね」
「あいつ、まだおったんかいと(笑)。自分の疑問としては、ヘビー級トーナメントを毎回やるのか、今回のタイトルはどうなるのか。突っ込みどころがたくさんあり過ぎる」
――ヘビー級のタイトルは、これから普通に防衛戦をすることになるはずです。
「これまで動いていなかったのに(笑)」
――コロナ禍とか、いろいろな状況があったからでは。
「それは、そうなんだろうけど、コロナ禍の後も普通に外国人が試合はしていますけどね。まあ、べつにいいけど(笑)。でも、トーナメント一回戦で負けた俺がタイトル挑戦でいいのかなとは思いました。だったら、マチャド選手がロエル選手とやった方がファンも納得するのかなと」
――福岡大会なので、やはり地元の日本人が挑戦する方が盛り上がります。
「ただ俺は結果を出していない状況なので、与えられたことを全力でやるしかないんで受けましたけど」
――タイトルマッチで久しぶりの試合となるロエル選手。K-Jee選手にとって、いい条件が揃っています。
「でも正直、欲しかったベルトの形ではないですよ。最強を目指していて、これをとったら最強だと自慢できるのがベルトですよね。それが何年も放置されていて。しっかり管理して欲しいなとは思います。忘れられたベルトだったので。ただ、ベルトの価値は持っている選手が高めていけばいいので、今回勝って俺が高めていく。それでいいかなと気持ちを切り替えました」
――ヘビー級は相手が少ないため、放置されていた面もあるかと思いますが、これで動き始めることでしょう。
「自分はここで勝って、マチャド選手とやりたいですね」
――マチャド選手に拘りがあるんですか?
「WGPで優勝していますからね。理由は、それだけです」
――ちなみにロエル選手との試合は、どんな内容になると思いますか?
「蹴りもパンチもバランスがいい選手ですよね。打ち合ってくれるとは思いますが、穴が少ないからやりにくいかなとは思います」
――最後に、地元九州のファンに対してメッセージをお願い致します。
「これまでは会場に来れなかった人も多かったでしょうけど、目の前で見る迫力を楽しんでもらえればと思っています。ぜひ、会場へ来て迫力を楽しんでください!」