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朝久裕貴、1年半ぶりのK-1参戦で語った4つのこと、レミー・パラ、マラニア、反乱軍、ブレイキングダウン=7.13 K-1福岡

 7月13日(日)に福岡・マリンメッセ福岡B館で開催される「ECO信頼サービス株式会社 presents K-1 DONTAKU」の[K-1ライト級/3分3R・延長1R]で、フランスのブライアン・ラング (CRISTAL BOXING CLUB)と対戦する朝久裕貴(日本/朝久道場)が、インタビューに応じた。

 朝久は、18年3月に武林風WLF -60kg級王座決定トーナメントで優勝を果たし王座を獲得。20年11月のK-1福岡大会では大岩龍矢から勝利を収め、22年9月はK-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメント決勝でレオナ・ペタスに判定負け。その後は武林風で活躍し、24年3月にK-1でレミー・パラを判定で下した。24年7月開催の武林風WLF MAX-63kg級王座決定トーナメントでは、25年1月の決勝でジョルジ・マラニアにKO負けを喫した。

 ラングは、ISKA、WKNなどの世界タイトルを持つフランスの4冠王者。24年1月にK-1スーパー・フェザー級王者のレミー・パラと対戦しており、構えをスイッチしながらの変化自在のスタイルで揺さぶりをかけて、右から左のフックでアゴを跳ね上げるシーンもあった。スプリット判定で負けてしまったものの、ほぼ互角の勝負をしていた印象を残した。
――2年ぶりのK-1福岡大会の開催となりましたが、どんな思いがありますか?

「弟も言ったと思いますが、自分にとって地元・福岡だからという特別な感情はありません。普段は中国で戦っているため、日本で試合ができるのが約1年半ぶりということに対して嬉しさを感じています」

――たしかに裕貴選手は、中国の武林風で試合をされています。今回はレミー・パラ戦以来の日本での試合になりますが、やはり違いますか?

「減量が楽だなという感じですね。海外だといろいろなことがありますので、減量という面では日本の方が楽です」

――東京で試合をする際は、前日現地へ入ってホテルで体重を落とすルーティンですか?

「そうですね。でも僕は普段から体重を落としていますので、残り何百グラムで調整しています」

――裕貴選手が不在の中、レミー・パラ選手が横山朋哉選手、中島千博選手、松山勇汰選手をKOして第6代K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者になりました。彼の戦いをどう見ていましたか?

「多少、成長は見られましたが、僕と戦った時からあまり変わらないですね。スタイルもそうですし、攻撃力は若干上がったような印象がありましたが、変わっていなかったです」

――無敵の印象を残したレミー選手から裕貴選手は過去に勝利しましたが、どこが強かったですか?

「下がらないことですかね。でも、今回は戦った日本人選手がそんなに強くなかったということだと思います」

――辛辣ですね…。この階級の日本人トップクラスの3選手ですよ。ファンはかなりショックを受けたと思います。

「たしかに、今の60kg級の日本人だとトップ3がやられた感じですね。一回戦の松山君は、これからの選手なので伸びてくると思います。準決勝の中島さんは、あれが完成系で一番苦しめたように見えました。決勝の横山君に関しては完成しているけど、彼が弱いかなという印象でした」

――横山選手が弱い?

「シンプルに弱いです。実力不足ですね。自分は横山君と戦いましたが(22年9月)、過去に対戦した相手の中で一番弱かったです」

――そこまで言いますか!

「なぜ優勝候補と言われているのか分からなかったくらいです」

――3年間で成長していると思いますが…。裕貴選手は、60kgから階級を上げることになったと思いますが、体重が厳しくなったわけですか?

「自分は日本でレオナ(・ぺタス)さんに敗れて(22年9月)、再戦するために準備をしていたんですが、レオナさんが怪我で長期離脱になって。それでレオナさんに勝ったレミー・パラ選手と戦い、勝利することができました。レオナさんの拳が治らないということだったので、それを待つくらいならば階級を上げようと思ったところ、中国で63kgのトーナメントが開催されたため、そこにエントリーしました」

――それが、昨年と今年にかけて行われた武林風WLF MAX-63kg級王座決定トーナメントですね。

「はい。レオナさんがスーパー・フェザー級(60kg)のタイトルを持ったままならば、昨年の夏くらいに挑戦したと思いますが、結局、できなくて“もういいや”となりました」

――レオナ選手は復活してきましたが興味は?

「戦う機会があればやりますけど、ただ僕は海外で試合をしていますのでフィジカルをつけるために体重を増やしました。もう60kgには落ちないかなと思っています。長い期間で調整すれば落ちないことはないかもしれませんが、そこまで拘ることもないかなと」

――レオナ選手は、レミー・パラ選手を倒すのは自分しかいないと豪語しています。

「僕としては倒してほしいと思っています。仲はいいので。一回負けているからこそ、そこでレオナさんがリベンジして勝つべきかなと。あのベルトは、レオナさんかレミー・パラ選手が持っていていいのかなと思っています。他の選手は実力不足ですね」

――何が足りないですか?

「すべておいてですね。技術、フィジカル、あとはメンタルが横山君が弱いです。ボディで寝たのは横山君だけだったんで。それを考えると松山君がどこまで伸びるかですね」

――そこまで厳しい意見になるのは、中国で強豪たちと戦っているからですか。

「もうちょっと、頑張ってほしいです。レミー選手と戦ってほしいとファンの方から言われるんですけど、レオナさんか松山君に頑張ってもらうしかないです」

――レミー選手は、裕貴選手との再戦を望んでいました。

「本人にも直接言われたので、『階級を上げた』と伝えたら自分もそこで戦っているからできると。自分としては、62.5kgの体重が合えばいつでもやりますよ」

――あとファンが見たいカードで、武林風の63kgトーナメント決勝でKO負けを喫したジョルジ・マラニアとの再戦です。

「マラニア選手に関しては、言い訳になってしまいますけど、自分がミスをしたからああいう展開になったというのもあって。でも日本に彼を呼んでやっつけるのは、自分の中で納得できない。中国で負けたから中国でやり返したい。それか彼の母国ジョージアで開催されるのならば、そこでやっつけるか」

――日本での再戦は嫌?

「飛行機の移動とかあるので、自分が有利になるじゃないですか。自分が向こうに行って勝つのはいいですけど、日本に呼んで有利になるのは嫌です」

――カッコいいですね。

「日本で開催するトーナメントの中にマラニア選手がいたならば仕方ないですけど、そこで仮に勝ったとしても中国でもう1回やっつけないと納得できない。あの場で負けたから、そこでやり返さないと意味がない。負けた場所でやり返さないと」

――マラニア選手との再戦の予定は?

「中国でランキングができたんですけど、彼がチャンピオンで自分が1位。2位から5位まで中国人なんですけど、僕はすべて勝っている。下位ランキングの選手が挑んで来ると思いますけど、そこを倒してマラニア選手を倒したいですね。今の目標は、マラニア選手を倒すこと。燃える相手が出てきたので、楽しみです」

――ぜひ見たいカードです。

「マラニア選手はシンプルに強いですが、僕がミスをしなければ勝てると思っています」

――武林風とK-1では何が違いますか?

「K-1は話題性のある選手との対戦が多いですが、武林風は実力ある選手同士の試合が組まれます。あと日本人は流行りのファイトスタイルに偏る傾向にありますが、武林風は様々なファイトスタイルの選手がいるので、そこが面白いですね」

――今回の福岡大会は、ブライアン・ラング選手との対戦です。彼はレミー・パラ選手を苦しめたファイターとして有名ですが、どう思いますか?

「彼がレミー選手を苦しめたと言っても、僕はそのレミー選手に勝っていますから気にしていません」

――最後にレオナ選手の反乱軍リベリオンについての意見を聞かせてください。

「僕はいいと思います。シンプルに面白い。僕は(反乱軍と宮田P)どちらの意見も分かるんですが、レオナさんみたいな人がいないと、全員がなあなあで同じ感じになってしまう。この前は児玉(兼慎)がやらかしてしまいましたが、そういうところから自我が出だすと選手の面白さが際立つかなと。違う風を吹かせている印象はありますね」

――ああいう活動は、嫌いかなと思っていました。

「いえ、レオナさんの考え方はK-1を盛り上げるということで筋が通っています。人と同じことをやっていたら、同じような選手しか出てこない。僕はいいと思います」

――K-1がブレイキングダウンと絡むのでは?と心配する意見もあります。

「僕はいいと思います。でもブレイキングダウンの選手が3分のK-1ルールをするとは思えないので、向こうの1分間のルールでやることになるでしょう。弟の泰央とも話すんですけど、ブレイキングダウンの選手はよく格闘技の素人という見られ方をされています。でも僕たちからすると、1分間のプロなんです。1分間の試合だったら、K-1ファイターでも負ける可能性がありますよ」

――サッカーでいえば、PK戦に特化した選手の集まり。それが得意な選手がいると。

「そう思います。意外と負け越しも考えられます。オープンフィンガーグローブも含めて、何が起こるか分からないですからね」

――分かりました。今回の福岡大会は、裕貴選手の試合を生で見られる貴重な機会になります。

「子どもたちも応援に来てくれるようなので、僕も楽しみです」
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