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「K-1 WORLD GP」12.3(土)大阪<コラム>初代バンタム級王座決定トーナメントは「#K1NEXT」の集大成「『次のエースは誰か?』ではなく『これが俺たちのK-1だ!』という戦いを見せてほしい」(中村P)

 12月3日(土)、エディオンアリーナ大阪で開催されるK-1の年内最終興行、「K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~初代バンタム級王座決定トーナメント」が近づいてきた。

 大会の目玉は、K-1の最軽量級=バンタム級(53kg以下)の初代王座決定トーナメント。日本からは黒田斗真、池田幸司、壬生狼一輝、石井一成の4選手、ムエタイ軽量級の実力者ヨーシラーを筆頭に世界の強豪4選手が集結し、K-1バンタム級の初代王座を争う。

 中村拓己K-1プロデューサーは「このトーナメントは、ある意味で『#K1NEXT』の集大成になります」という。ハッシュタグ「#K1NEXT」は、6月の「THE MATCH 2022」を終え、エース・武尊の休養発表後、8月のK-1福岡大会から大会ハッシュタグとして採用され「これからのK-1を背負うエースは誰か?」「K-1の次代を担う若きホープは誰か?」とエース候補や次世代の逸材に焦点を当ててきた。

 中村プロデューサー曰く「この『#K1NEXT』というコンセプトの始まりは、2021年5月に行ったK-1バンタム級日本最強決定トーナメントなんです」。

 
 K-1でバンタム級が本格始動したのは、2021年5月30日の横浜武道館大会。この大会では「原点回帰」・「ワンデートーナメント復活」・「未来のスターの青田買い」がコンセプトとして掲げられ、全選手K-1アマチュア出身・平均年齢20.75歳の8選手による新階級=バンタム級の日本最強決定トーナメントが開催された。

 トーナメントでは黒田斗真が決勝で当時Krushバンタム級王者だった壬生狼一輝をKO。トーナメント3試合中2試合でKO勝利・全試合でダウンを奪うという圧倒的な強さで優勝を果たすと、今年6月「THE MATCH 2022」にもK-1代表として参戦し、K-1バンタム級の顔になっていく。

 その黒田に1回戦でKO負けした池田幸司は、トーナメント後に順調に勝ち星を積み重ね、今年3月に壬生狼の持つKrushバンタム級王座を奪取。初防衛戦も含めて現在4連勝中・4勝のうち2KOをマークし、“倒すバンタム級”を体現する戦いぶりでバンタム級のトップ選手に躍り出た。トーナメント以降、不調が続いていた壬生狼も今年8月のK-1九州大会で復活の勝利を収めて連敗脱出。日本最強決定トーナメントを皮切りに、黒田・壬生狼・池田を中心にバンタム級で熱戦が繰り広げられていった。

 
 さらに、そのバンタム級戦線を大きく揺るがしたのが石井一成のK-1参戦だ。幼少期から強豪選手として名を馳せ、ムエタイで数々のベルトを獲得してきた軽量級の雄は「18年前に魔裟斗さんに憧れて、K-1世界チャンピオンになりたくて格闘技を始めた」と長年の夢を果たすべく、今年8月のK-1九州大会に電撃参戦。黒田・池田がリングサイドで試合を見守る中、バンタム級屈指の攻撃的ファイター・藤田和希を鋭いパンチでKOすると、バンタム級王座決定トーナメント開催をアピールした。

 K-1 JAPAN GROUP育ちのファイターたちが切磋琢磨して「場」を創り、K-1以外から大物日本人選手がその戦いの輪に加わる。日本最強決定トーナメント開催から1年余りでバンタム級の選手層は厚みを増した。また「欧米では軽量級が少なく、53kgがベストウエイトの選手でも55kg~57kgで試合を組まれることが多いんです。バンタム級新設を発表したあと、海外から『53kgがベストウエイトだ』『53kgで戦いたい』というアプローチも多く、世界にもバンタム級の強い選手がたくさんいると感じました」(中村P)とK-1バンタム級の新設は海外にも影響を及ぼした。

 このタイミングでのバンタム級王座新設・王座決定トーナメントは、まさに満を持してのものと言っていいだろう。 

 今回のトーナメント、黒田・石井の勝ち上がりを予想する声が多いなか、「ムエタイをやってる人ならみんな知ってるぐらい強い」(石井)と語るのが、K-1初参戦のヨーシラー・チョー.ハーパヤックだ。ヨーシラーはアグレッシブな攻撃を武器に、選手層の分厚さで知られるムエタイ軽量級で3年間無敗の記録を打ち立て、ルンピニー・ラジャダムナンの“ムエタイの2大殿堂”に次ぐオームノーイスタジアムで王座も獲得。日本人初のラジャダムナン・ルンピニー統一王者で、石井の盟友絵もある吉成名高もヨーシラーの実力を高く評価している。

「日本のファンの方はなじみが薄いかもしれませんが、ヨーシラー選手はめちゃくちゃ強い。タイ人はパンチが大振りで一発に頼る選手が多いのですが、ヨーシラー選手は細かいパンチも出せるし、パンチの軌道も日本人選手のような打ち方をします。もちろんムエタイのテクニックも高いです」(吉成)

 
 さらにヨーシラーは、試合の2週間前に来日し、寒さに体を慣らしながら、ウィラサクレックムエタイジムでK-1ルール対策に余念がない。一回戦でヨーシラーと対戦する黒田は「タイ人は僕みたいにスピードが速い選手とやったことないと思うので、僕とやったらびっくりするんちゃうかな」。決勝でヨーシラーと対戦する可能性がある石井は「決勝でヨーシラーとのムエタイ対決もアリだなって思ってます」と話しているが、誰がヨーシラーを止めるのかが1つのポイントになるだろう。

 他の外国人選手も決して侮れない。アンビ・エンスエ・アボモ(赤道ギニア)、オスカル・ボルケス(エクアドル)、サンベル・ババヤン(アルメニア)の3選手とも海外でのタイトル保持者で、その国や地域を代表する強豪だ。

 今年、K-1のトーナメントを制した軍司泰斗(フェザー級世界最強決定トーナメント)、レオナ・ペタス(スーパー・フェザー級王座決定トーナメント)は「1回戦の外国人選手が一番キツかった」と口を揃える。外国人選手は身体が強く、パワーがある上に、K-1初参戦でデータが少ないために「実際に試合をしてみなければ分からない」部分が多く「予期せぬ一発」の怖さがあるのだ。

 事実、軍司はファク・スアレスのパンチで一瞬グラつき、レオナはアヤブ・セギリのバックブローでダウンを喫している。両選手とも致命的なダメージを負わずに勝利したものの、一歩間違えれば1回戦負けで終わっていてもおかしくなかった。

 
 実力者や未知の強豪が揃ったバンタム級トーナメントを制して、栄えある「初代K-1バンタム級王者」に輝くのは誰か。中村プロデューサーはこのトーナメントで「#K1NEXT」にピリオドを打つことも期待している。

「大会ハッシュタグとして『#K1NEXT』を使って3大会開催してきましたが、もう『NEXT』という言葉を使うのは今回で最後かな、と。年齢・キャリア問わず、K-1のリングに立つ選手たちはみんな現在進行形のK-1を背負って戦っているし、彼らがリング上で見せているものこそ、“今のK-1”の姿だと思います。

 2021年5月のバンタム級日本最強決定トーナメントから始まった『#K1NEXT』だからこそ、初代バンタム級王座決定トーナメントと次の大阪大会を『#K1NEXT』の集大成にして、『#K1NEXT』にピリオドを打ってもらいたい。『これからのK-1を背負うエースは誰か?』『K-1の次代を担う若きホープは誰か?』ではなくて、選手たちが胸を張って堂々と『これが俺たちのK-1だ!』という戦いを見せてほしいと思います」

 12月3日、エディオンアリーナ大阪で激闘の幕が開く!
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