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「Krush ~RING OF VENUS~」4.8(土)新宿<特別コラム>「KANA不在」で真価が問われるK-1女子、初開催「Krush RING OF VENUS」で一番輝くのは?

 4月8日(土)東京・新宿FACEで開催される“Krush初の女子大会”「DUAL Presents Krush~RING OF VENUS~」に向けた特別コラムを公開!

 初開催となるKrushの女子大会=「DUAL Presents Krush RING OF VENUS」が近づいてきた。
 
 昨年、K-1史上初の女子大会「K-1 RING OF VENUS」を国立代々木競技場第二体育館で開催したのに続き、今年は新宿FACEでの開催。このことについて解説席でK-1女子ファイターの戦いを見守る“クラッシャー・クイーン”初代K-1女子フライ級王者・KANAは言う。
「会場は小さくなりましたけど、女子大会を継続してやっていくことに意味があると思いますし、女子大会を開催して貰うことは女子選手たちにとってめちゃくちゃチャンスだと思います」

 K-1女子の歴史は、KANAが戦い、勝ち取ってきた歴史でもある。
 KANAは2015年にKrushでプロデビューすると、第2代、第4代女子フライ級(当時は-50kg)王座を獲得。K-1出場のチャンスはなかなか巡ってこなかったがKrushでKO勝利を積み重ね、2018年3月の「K‘FESTA.1」で悲願のK-1初出場を果たす。

 2019年には女子フライ級の規約体重が52㎏に変更となり、KANAにとっては「世界の強豪が集まる階級」=「52kg」に上げる形で、同年12月の初代女子フライ級王座決定トーナメントに出場して優勝を果たした。

 だがここからKANAの苦闘が始まる。「52kg」という体格的な壁に直面したのだ。
「自分は普段54kgぐらいしかないので、計量をパスした後に試合では普段の体重に戻すだけなんです。でも相手は60kg近くから落とす選手もいて、計量の後にものすごくリカバリーしてくるのでリング上だと3~5kgは相手の方が重いです」

 KANAは大きな相手を倒すために、海外から日本にスパーリングパートナーを呼んだり、アメリカでのスパーリング合宿を敢行。その成果として、昨年の「K-1 RING OF VENUS」から強豪外国人選手相手に目下3連続KO勝利中と、“クラッシャー・クイーン”の本領を存分に発揮している。

 KANAが「KO」にこだわり続けるのは「K-1女子」の宿命だった。
「『普通の女子キックの試合』をしていたら『K-1でなくてもいいじゃないか』と言われてしまうんです。いつも他の男子選手に負けない『K-1らしい試合をしよう』と意識してて、それにはKOで勝たなくてはダメなんです」

「女子の試合は判定ばかりで面白くない」という批判の声も、最近のKANAは豪快なKO劇を見せることで黙らせてきた。
「女子だから倒せない、ということはないんです。武尊君とか『軽量級だからKO出来ない』という評価を覆してきましたし、自分も『女子選手も倒せる』と信じて練習して倒せるようになりました。KOするにはテクニックもフィジカルも必要ですけど、やっぱり『倒そうとする気持ち』だと思います」

 今回の「Krush RING OF VENUS」は、K-1女子選手たちにとって真価の問われる大会である。
 メインイベントを務める☆SAHO☆は、昨年6月の「K-1 RING OF VENUS」でジャシンタ・オースティンに初回でダウンを奪われる苦しい展開から後半追い上げた。判定負けだったが「K-1らしい試合をしてくれた」(中村拓己K-1プロデューサー)と評価も高く、今回はメインイベントに登場。ここでしっかりと大会を締め括れば、KANAと対戦する機運も一気に高まることだろう。

 フライ級ではもう一人、麻央の存在も忘れてはならない。昨年12月のKrushで6年ぶりの復帰戦を勝利で飾り、今回は日本vs韓国の対抗戦に抜擢された。得意の蹴りとパンチのコンビネーションで連勝を飾り、KANA、☆SAHO☆に続くK-1女子フライ級の注目株となれるか。

 セミファイナルに抜擢された松谷綺は実力が試される1戦だ。K-1女子の中で最も層の厚いアトム級にあって、今回の国際戦をKOで勝てば王者の菅原美優、前王者のパヤーフォン・アユタヤファイトジムが待つK-1女子アトム級タイトル戦線に一気に浮上する。だが、負けた場合はスタート地点に戻り、他のアトム級選手たちとの上位浮上を掛けた戦いから始めなくてはならないだろう。

 昨年の「K-1 RING OF VENUS」では、判定決着が続く中でチャン・リーがアグレッシブな試合運びから見事なKO勝利を収めて、自身の存在をアピールすることに成功。菅原美優の持つKrushアトム級王座の挑戦権を得た。

 今大会では誰が「倒して勝つ気持ち」を持って試合に臨み「K-1、Krushらしい試合」を見せて自分の存在をアピールするのか。「やはりKANAの不在は大きい」と感じさせてしまうのか、それとも「KANA抜きでもK-1女子は面白い」と評価を高めることが出来るのか。K-1女子の今後を占う重要な大会となることだろう。

 4月8日(土)の新宿FACE「Krush RING OF VENUS」に大いに注目したい。
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