「Krush.139」7.30(土)後楽園<インタビュー>安保璃紅「格闘技から離れている間、身近にいた選手たちが活躍して輝いている姿を見て『俺、何してんやろ…』という気持ちになっていた。僕が復帰することでライト級を盛り上げていきたい」
――約2年半ぶりの試合が近づいてきました。今どんな心境ですか?
「試合用の練習をして動きが戻ってきているなという感覚もあり、どの技で相手を倒そうかを考えて練習しているのが懐かしいです」
――復帰前最後の試合は2019年11月のK-1横浜アリーナ大会、第3代フェザー級王座決定トーナメント一回戦のジャオスアヤイ戦でした。
「あの時はK-1のベルトを巻くチャンスだったのでフェザー級に挑戦したんですけど、初めてのKO負けを経験して。今思えばもっとああすればよかった・もっとやれることはあったと思いますが、あの時点では一生懸命やったうえでの結果だったので、正直心が折れてしまいました。でも少しずつ時間が経って、あのままでは終わりたくないと思うようになって、ここからまた大好きな格闘技で上を目指していきたいです」
――最終的に復帰を決断するまでに2年半が経ったわけですが、それだけ立ち直るのに時間が必要だったのでしょうか?
「どれだけ(格闘技から)離れようと期間を決めていたわけじゃないですけど、半年、1年……と時間が経つにつれて、どうやって復帰していいのかが分からなくなっていましたね」
――そのままフェードアウトするという可能性もあったのですか?
「それはなかったです。その頃は格闘技とは関係ない仕事をしていて、完全に格闘技から離れていたんです。どのくらい時間がかかるは分からなかったですが、いつかまた格闘技の世界に戻りたいと思っていたし、それがこのタイミングになったという感じですね」
――例えば一緒に練習していた選手たちの活躍は刺激になりましたか?
「兄の(安保)瑠輝也も含めて、身近にいた選手たちがどんどん活躍して輝いている姿を見て『俺、何してんやろ…』という気持ちにはなっていました。それで復帰を決断して練習を再開したら、トントンと復帰までの道のりが決まって、やっぱり自分は格闘家なんだなと思いましたね」
――今のコメントにもあった通り、瑠輝也選手の存在は大きかったですか?
「きれいごとかもしれませんが、僕は瑠輝也にすごく恩返ししたいんですよ。僕が格闘技から離れている間、瑠輝也はことあるごとに僕のことを気にしてくれていて。もし僕が瑠輝也の立場だったら、あいつは格闘技をやめたんだなと思って、そこまで気にしなかったと思うんです。でも瑠輝也は『お前もう格闘技やらんの? やるんやったら、俺は何でもするぞ』と何回も手を差し伸べてくれて。その瑠輝也に恩返しするんやったら、格闘技でもう一回活躍する以外ないと思っています」
――安保選手はライト級で復帰することになります。今のライト級の選手たちを見ていて、どんな感想を持っていますか?
「若くて強い選手もどんどん出て来て、ライト級が一番層が厚いんじゃないかなと思います。強い選手がたくさんいるんで、そのトップ戦線に自分が食い込んでいきたいです」
――対戦相手の昇也選手もBigbangでタイトル獲得歴がある実力者です。
「自分は挑戦する立場なので、これからどんどんチャレンジしていきたいです。僕はK-1チャンピオンの朝久(泰央)選手には一回負けていますけど、今のライト級の選手とはほぼ初対決になるので、僕もファンのみなさんも楽しみな組み合わせが多いと思うんですよ。僕が復帰することでK-1・Krushのライト級を盛り上げていきたいと思います」