2021.11.23

K-1 JAPAN GROUPの新たな取り組みとして、バリュエンスジャパン株式会社が運営するスポーツチーム公認オークション「HATTRICK(https://auction.hattrick.world/)」協力のもと、9月のK-1横浜アリーナ大会からスタートしたチャリティオークション。

このたび嵜本晋輔バリュエンスグループCEO、寄付先の一つである特定非営利活動法人 ジャパンハートの吉岡秀人 最高顧問、そして中村拓己K-1プロデューサーの鼎談が実現。ヒトでつなぐ、モノでつなぐ、スポーツでつなぐ=「地球をつなぐ」をテーマに語ってもらった。

・前編はこちら⇒https://www.k-1.co.jp/news/35415/

【後編】
――今回のチャリティーオークションですが、中村さんは「前々からやりたかったこと」とおっしゃっていましたね。

中村 そうですね。K-1とか格闘技は「野蛮なもの」と思われたり、僕らはジムを作って、ジュニアの育成やアマチュアの大会からやっていて「野球やサッカーのようにK-1はやっています」と言っても、格闘技は特殊だと思われて、スポーツとしてはまだまだ認知されにくいです。その中で「社会と接点を持つこと」は大事だと考えていて、新型コロナの感染拡大が始まった頃にイベントを開催して色んなご意見もいただきました。その時に、僕らがジムを開いて体を動かしてもらったり、イベントを開催することは社会が安定しないと成立しないものだな、と思いましたし、僕たちがやってきたことを社会に還元しなければいけないし、還元すべきだと考えました。

 その中で今回のオークションの話が出てきました。もしかしたら「興行の収益の一部を寄付します」というやり方も出来たと思うんですけど、そうじゃなくて先ほど嵜本さんもお話されていた「自分事」としてやりたい、と。チケットを買って見に来て、知らないうちに一部が寄付されていたのではなくて、自分たちがこういう行動を起こして、オークションのお金の一部が寄付されたということをちゃんと理解してほしくて。そこまで理解していただいた上でK-1の取り組みに協力してほしい、というのがあったので、チャリティーオークションという形にしました。僕らもエンターテインメントを仕事にしているので、ちょっと面白く、オークションという形で。これも、嵜本さんのお話とつながりますけど、僕らも倉庫に「これ、売れるのにな」という思うものがたくさん眠っているんです(一同笑)。使い終わったグローブとか、コーナーポストのカバーとか、一回しか使ってない選手のタペストリーとか。

 今まではそのまま廃棄してたんですけど、選手がそれにサインを入れてオークションに出品する。しかも、そのオークションは収益を上げるためではなくて、K-1の活動がもっと社会と接点を持つための寄付で、そのためのオークションだと僕が発信して、理解してみんなが参加できる。そういう意味では、K-1だから出来る新しい試みだな、と思って、今回だけではなくて継続していく。それが僕らにとっては、人とモノのつながりを作ったり、医療とのつながりを作る取り組みが出来たなと思いますし、僕らの取り組みを通して寄付先のジャパンハートさんの活動だったりをK-1のファンの人が知って貰えれば、結果的に一番いいかな、と思いますね。

吉岡 あとは、僕はもっと子どもを巻き込んだ方がいいかなと思うんですね。子どもが見ていたら、さすがに恥ずかしいことは出来ないじゃないですか。反則は出来ないし、恥ずかしい言動も子どもが見ていたら出来ないですよね。それが実は選手自身や運営する人のためにもすごい大切なことだと思うんですね

以前、取材に来た人がちょっと拗ねていたんです。上からの命令で来て、あまり態度が良くなくて「僕はいつも子どもに見られて恥ずかしい仕事をしないようにしています」という話をしたら、その人も子どもがいる人で態度がガラッと変わったということがありました。それくらい子どもの目線は大切です。たとえば、K-1の会場に毎回30、40人の子どもを招待して「子どもが見ているよ」ということを選手に意識させたり。それが積み重なれば裾野を広げることにもなるでしょうし。

――嵜本さんは「つなぐ」ということでいかがでしょう。

嵜本 私たちはまさに「不必要」というレッテルを貼られたものを必要とする人に届ける、その仲介役です。今、僕たちの役割は世界的にも関心が高まってきているんじゃないかと思っていて。僕たちは本当にモノとしては価値があるにも関わらず、僕たちが介在しなければ価値に変わらない、と思っていて。僕たちが価値付けするからこそ、次の人につなげると思うんですよ。これは人も同じだと思っていて。

吉岡 そうですね。

嵜本 とんでもないポテンシャルを持っている人材って、世の中にとんでもなくいるんですよ。でも、その人自身が自分の価値に気づいてなかったり、自分の可能性にフタをしていると思っていて。僕は何とかそれを変えていきたいと思っていて、私たちの企業理念を「らしく、生きる。」という言葉に決めたのもそこなんですけど、自分自身の可能性に気づかせてあげるようなきっかけを作っていく。モノもそうですし、人も新たな成長の機会を作っていく。企業も、その人まかせではなくて、成長の機会、人生の転機を企業側が作ってあげるのが僕は結構、重要だなと思っていて。

 具体的な施策で言うと、1年前から社内公募制度をやっています。各事業部が新規事業をやりたい時に「自分のやっていることがいかに楽しく、素晴らしいか」をプレゼンして、それに引き寄せられた社員をトレード制のようにして集めてます。実際に海外事業でもそれを行なって、新卒で入って4年目の人間が海外赴任したり。やりたい人間が手を挙げるような仕組みを作って、どんどんやりたいことをやらせるようにしてます。結果的に社内が活性化しまして、志の高いメンバーが比例するように増えています。モノの価値を見極めるのと同時に、人の価値も見極めて、最適な配置転換、コンバートしているのが「つなぐ」という意味で、僕がしていることかなと思いますね。

吉岡 まさにそれですね。嵜本さんの言ったことがこれからの世の中のあらゆる分野で必要なことだと思いますね。どういうことかと言うと、まさに「再分配」なんですよ。たとえば食糧も、僕らは世界中の人が食べていけるだけの量を生み出しているんですよ。だけど廃棄する国と足らない国があってアンバランスが起こっているんですね。今やることは破棄する国から足らない国に再分配すれば、本当はみんなが幸せになれるわけです。ビジネスもまさにそうですし、医療もそうです。嵜本さんはビジネス、僕らは医療でそれを均等にしていく。医療者が足らない国に派遣するのもそうです。おそらくK-1もその使命がすごくあると思うんですよ。

――K-1も、ですか。

吉岡 精神的、肉体的に「暴力はいけない」と強制された社会の中で、ちゃんとコントロールされた質のいい暴力で、体を鍛えるとか精神を鍛えるとか、友情をはぐくむとか。それはすごく大切なことなんです。じゃないと、社会から父性が喪失していくんで。父性が喪失すると何が起こるかというと「生きる力」が弱くなる、と言われているんですね。そういうことを違う形で体現させていくためには、ちゃんと肉体を使った競技、スポーツをもっと子どもたちがやるべきだと思うんですよ。K-1はそのトリガー(きっかけ)になれる。それがおそらくK-1が生まれ変わった、大きな一つのミッションだと思うんですよ。だからもっと広がって、もっと低年齢層に広がっていくことが僕はとても大切なことだと思いますね。

中村 おっしゃる通りだと思います。

――今後、K-1、ジャパンハート、バリュエンスの活動でやってみたいことはありますか。

嵜本 コロナでなかなか出来なかったことでいえば、モノのオークションだけはなくて「体験」を扱う「コト」オークションをやりたいと思っています。たとえば、普通では上がれないリングに上がったり、試合終了後のバックステージで選手がインタビューを受けているところを見学したり。ああいうのってファンからすればたまらない体験だと思うので。人は、希少性にお金を使うようになっていて、やっぱり自分にしか出来ないモノやコトに惜しみなくお金を払う状況になってきている中で、体験はモノ以上に感じることが多いと思うので。まさにK-1さんなら出来そうなところだと思います。かつ、モノを引き出してくる必要がなくて、アイディアで本来価値がなかったことを価値に出来るわけじゃないですか。そういったところを意見交換させていただきながら、商品作りも商品が出来上がって実際に体験するシーンも、動画をコンテンツとしてティックトックやYouTubeで流して、10代20代のK-1ファンを作っていくとか。そういう「おもしろおかしさ」も真剣勝負の中で子どもたちを引き付けるフックとしてはありなのかな、と。そんなことをチャレンジさせていただきたいな、と思っています。

中村 最初に「体験する権利をオークションにするのはどうか」とご提案いただいていて、まだコロナの影響でバックステージも密を避けなくてはいけなかったので出来なかったんですけど。それこそ「大会で優勝した選手のボディブローを受けられる券」とか(一同笑)。バラエティ番組でやっていますけど「好きな選手にケツを蹴って貰う」とか。

――それはファン垂涎ですね(笑)。

中村 可能性が広がっていますし、今までならバカ話で終わってしまうようなことが価値を生んで、お金につながると思います。逆にそこから人を知ってもらったり、1つの何かにつながるとどんどん実現させていける。今回は1回目だったので、これを継続していくと見えてくるものが絶対にあるなと思っています。あと、僕らもチャリティーオークションを通じて、医療活動に興味を持った人がボランティアに参加したり、家で眠ってたお宝をチャリティーオークションに出してみよう、とか。K-1以外の活動にもどんどん興味を持ってもらえるきっかけを作っていきたいですね。

――今日は貴重なお話をありがとうございました。

・前編はこちら⇒https://www.k-1.co.jp/news/35415/

 

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