2020.11.16

 千葉県君津市の人見神社にて、12月13日(日)両国国技館で開催される「K-1 WORLD GP 2020 JAPAN」の[スーパーファイト/K-1スーパー・フェザー級/3分3R・延長1R]で芦澤竜誠と対戦する島野浩太朗が公開練習を行った。

 島野が所属する菅原道場は千葉県富津市にあり、今回公開練習の場となった人見神社はすぐ隣の君津市にある。島野ら菅原道場の面々にとっては、普段からトレーニングをしているお馴染みの神社だ。この神社は、獅子山の頂上に建てられており、本殿にたどり着くには深い木々に覆われた中に作られた急な階段を上がらなければいけない。島野たち菅原道場勢は、いつもこの人見神社の階段でトレーニングを行なっているという。

 この日、菅原忠幸会長に引き連れられて登場した島野と、その仲間の2人。3人は一度、階段の中腹あたりまで移動すると、菅原会長の号令により、まずは片足けんけんで階段を上がる練習。これを左右の足でそれぞれ一本ずつ行なうのだ。数十段に及ぶ階段は普通に歩くだけでも息が切れるほどの急勾配。しかも、階段の幅は狭いのでバランスを取るのも至難の業なのだ。

 続いてはカエルジャンプで階段を上がる練習だ。しゃがんだ状態からジャンプし、何段か飛ばしながら階段を上がっていくという過酷なもの。最後は3分間と時間を区切っての階段ダッシュを2往復。これを2セットこなしてみせた。

 菅原会長の話によると、普段は手押し車で階段を上がるという信じがたいような過酷なメニューもあるそうで、疲れの溜まる土曜日にこれを実施し、試合と同じ極限状態でも耐えられる精神力と体力を養っているということだ。

 この階段でのトレーニング後には、立禅と呼ばれるメニューも実施。太陽を仰ぎ見ながら、手のひらで三角を作る。その三角の中に太陽を収め、陽の光を感じながら目を閉じる。そして、しばらくしてから合掌、さらに両手を広げて大自然を自分の体の中に取り込んでいくというものだ。

 菅原道場独特のメニューだが、この神社での練習や立禅も、島野が道場に入った頃から続いている伝統的なものだそうだ。「基礎基本の地味な練習に見えますけど、自分の限界を出し切ることが目的なんです。常に自分を限界まで追い込めてるかどうかを確認する練習ですね」と島野。

「普通だったら諦めてるような場面でも、『ここで終わったら今までの練習はなんだったんだ?』っていう気持ちになる。この練習はウェイトトレーニングみたいに数字が出るものではなく、自分の体によって限界まで追い込む練習です。いくら鍛えてもきつさは変わらないし、毎回ギリギリ、限界まで追い込んでもらっています」と、どんな修羅場にでも耐えうる心身を長年にわたり培ってきた。

 その島野が両国大会で対戦する芦澤は、破天荒なキャラクターと言動が人気のファイター。今回の島野との試合も一度引退してからの復帰戦ということで、注目度も高い。島野も今回が約3年ぶりのK-1参戦でもあり、K-1のリングで芦澤との試合決定のインパクトの大きさを実感している。

「K-1で両国国技館という舞台で試合をすることは選手として夢なので、もの凄い大きなことではあるんですけど、周りからは『K-1出るんだ』とか『両国で試合するんだ』という反応よりも、『芦澤竜誠とやるんだ』って、そういう声が多かったんで、それが芦澤選手が作ってきた価値だと思います。(芦澤はキャラや言動で注目を集める選手だが?)100%のプロとして、自分の色を貫いている選手だなと思います」

 お互いのファイトスタイルを考えると激闘必至の一戦。「どんな試合をイメージしている?」との問いに対して、島野は「芦澤選手は一瞬の隙きを突くのが上手な選手。そして、お互いに『必ず倒す』というのが頭にあるんで、9分間という短い間ですけど、凄く緊張感のある、試合が一瞬で決まる展開になるんじゃないかなと思っています」と予想する。

 しかし、芦澤の「心を折って勝つ」という発言を耳にすると、それまで冷静だった島野の表情が微かに変わる。「僕の心は絶対に折れないですね。いつも精神を鍛えてもらっているので、そこは絶対に折れません。逆にこちらが9分の間に、心を折るような試合をしようと思っています」と若干語気を荒げつつ、闘志を露わにした。

 最大の武器は、菅原会長のもとで培った精神の強さだ。「芦澤選手の存在も含めて、特別な視線を集めるリングになると思うんで、こちらも100%準備を整えて、絶対倒します」と、力強く勝利を誓っていた。

 最近の試合で島野は自らの格闘技に対する姿勢やスタンスを語るようになった。島野は「今はこの試合がすべて」と全身全霊で芦澤との一騎打ちに臨む。

「100%、全身全霊、全てをリングに注ぐのはもちろんですけど、どんな結果をその日に受けたとしても、自分が変わらずに、死にものぐるいで、その先に生きていくんだという気持ちを持って、リングに集中しています。

 上を目指す、強い選手とやるっていうのはもちろんですけど、今回の芦澤竜誠選手ももの凄い強敵ですし、その敵に打ち勝って、初めて先のことだったりが見えてくると思うんですよ。この試合に勝つのはもちろんですけど、どういう試合をするのかっていうのも重要で、どういう試合をするのかは、見てもらうのが一番だと思います。だから、今はこの試合が全てですね。先とかではなくて、目の前の試合に集中です」

 

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