2019.06.13

 6月13日(木)神奈川・K-1ジム相模大野KRESTにて、6月30日(日)両国国技館で開催される「K-1 WORLD GP 2019 JAPAN ~K-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント~」の[スーパーファイト/K-1スーパー・ライト級/3分3R・延長1R]で不可思と対戦する佐々木大蔵が公開練習を行った。

 タイでも屈指の名門・PKセンチャイムエタイジムで20日間に及ぶ武者修行を敢行した佐々木。今週の月曜日に帰国したばかりで疲労もかなり溜まっているはずだが、公開練習では左ミドル、右ストレート、右ローにヒザ蹴りとあらゆる武器を駆使した気迫十分のミット打ちを披露した。

 佐々木は前回3月の「K'FESTA.2」で安保瑠輝也に敗れ「前回の試合が終わってから、このまま同じ練習をしても停滞すると思って『よし! タイに行こう』と思いました。ちょうどタイに行くと決めてから不可思選手とのオファーを受けて試合を組んでもらったって感じですね」と“変化”や“刺激”が必要だと感じていたという。

 また佐々木は「『K'FESTA.2』という大舞台で自分は楽しかったけど、そこで終わっていた。やっぱりお客さんを楽しませてこそプロだと思うんで、そういう部分で自分に甘さがあったと実感するようになった」と瑠輝也戦でプロ意識の欠如も再認識したと話す。

 PKセンチャイジムはムエタイの中でも強豪が集い、悪童や激闘型のファイターが数多く在籍する。堅実なイメージ佐々木とはかなり異なる雰囲気のジムだ。しかし佐々木がトレーナーとして指導しているT's KICK BOXING GYMのタイ人トレーナーから「お前はここに行ったら強くなるよ」と薦められたのがPKセンチャイジムだった。佐々木はタイ修行をこう振り返る。

「本当だったら(ムエタイの神とも称される)センチャイとも一緒に練習したかったんですけど、試合会場で会っただけで練習することはできませんでしたね。タイではテクニックなど色々教わった部分はあるんですけど20日間で劇的に変わることはないと思う。タイで吸収できたものは多少あるけど、それ以上に考え方・環境の違いの部分で刺激を受けました。それを吸収できたことを今後に活かさないともったいない。本当に20日間きつくて、初日から日本に帰りたくなったんですけど(苦笑)、そういう思いをしたからこそタイ修行の経験を無駄にしたくない」

 また佐々木にとってはタイでの生活自体が人生観も変わるような大きな刺激にもなった。

「日本で出来ていること、過ごせていることは恵まれてるなと思いました。自分がちょっと甘かった部分を思いっきり感じたというか、そういう部分で今後に向けて自分自身で変化が楽しみだなと思いますね。正直こう変わろうとかいうのはなくて、ただタイに行って刺激を求めるという理由だけで行ったんですけど、それ以上に色んなことを感じました。今年で29歳になるんですけど、今まで一人暮らしとかもしたことなくて、生き抜く術じゃないですけど、そういう部分で僕は周りの環境とかに恵まれ過ぎていて、自分に甘さがありました。そういう部分を本当に1日1日、いや時間単位っていうぐらいで考えさせられる濃い20日間でした」。

 今大会で佐々木はK-1初参戦の不可思を迎え撃つ立場になる。佐々木は「試合が決まってから映像を見て、先入観があり過ぎてるのかもしれないですけど確かにギラギラしてるなって感じはありますね。目力が強かったりとか、戦い方も前に前にと一歩踏み込んでくるファイターだなと思いました」と不可思を分析。共にオールラウンダーながら佐々木は左ジャブ・左ミドル、不可思は右ストレートに右ロー・ミドルを使って試合を組み立てる印象がある。

 そうなればリード(左)の攻撃で組み立てられる佐々木が先手を取る戦いも予想されるが、佐々木は「どうですかね? やっぱり試合展開は相手によって変わるじゃないですか。自分はこうやろうと決めつけて試合に臨むつもりはないです。その場で不可思選手と相対した時に出る技が大事かなと。そういう部分でも楽しみですね」と柔軟な姿勢で戦いに臨むつもりだ。

 不可思があえて自分を“外敵”だと表現しK-1に乗り込んできたことも「外から来たから何だっていうのもなくて、一人の対戦相手として戦えることが楽しみであり、怖さもある。不可思選手がいるから僕はこうして充実した毎日を送られていると思う」と佐々木にとっては気負う要素ではない。

 そのうえで「前回は『自分が楽しむ』と言って、そこで止まってたんでその先ですよね。お客さんを楽しませることが一番。プロとして、リングに立つ一人の人間としてそういう自覚をしっかり持たないといけない。そういう思いがリングで出ると思うんで、口でどうこう言うよりは当日を見ててください」と、これまでのイメージを脱却した姿を見せると宣言。

 他団体で5本のベルトを巻いてきた不可思に対して「この試合が一番面白かったと言ってもらえたら一番良い。どうなるか分からないし、お客さんには色んな見方がある。自分の中では自分が楽しんで『これだ!』というものをお客さんにも共有してもらいたい」と理想の試合内容について語った。

 現在は対戦相手だけでなくファンとの勝負も意識している佐々木だが、決してK-1のベルトへの想いが途絶えたわけではない。

「ベルトは今もしっかり見据えてます。それは口に出して言うことじゃないかなっていう想いはあるし、同じ大会に出る瑠輝也選手、ゲーオ選手共に僕は一度負けてるんで。その二人に対して、そして当日のお客さんに対して不可思選手と試合することによってメッセージを残したいなって想いもありますね」と拳で今の想いを語る心構えだ。

 最後に佐々木は「タイに行って変わったと言われたら一番嬉しいですが、20日間行っただけで劇的に変わるほど甘くはないと思う。だからこの先の自分のストーリーを見て欲しいですし、そういうメッセージを皆様に見せられれば一番良いかなと思うので、ぜひ6月30日、両国国技館に来てください」とファンにメッセージを送った。

 注目のK-1初参戦・不可思を相手に、佐々木は理想の戦いをお客さんと“共有”して、両国国技館を沸かせることができるか?