2019.02.13

 2月12日(火)東京・新宿区のGSPメディアセンターにて、第5代Krushウェルター級王者・塚越仁志が現役引退を正式発表し、3月30日(土)東京・後楽園ホール「Krush.99」で引退セレモニーを行うことが決まった。

 塚越は2008年12月にプロデビューし、キャリア初期は「Krush -63kg WILDRUSH League 2012」などライト級(当時の表記は-63kg)戦線で活躍。その後ウェルター級(当時の表記は-67kg)まで階級を上げ、2016年10月に渡部太基を下して第5代Krushウェルター級王座を獲得。その後もモハン・ドラゴン、牧平圭太を相手に激闘を繰り広げ2度の防衛を果たした。

 昨年8月の木村“フィリップ”ミノル戦に敗れてベルトを失い、その一戦を最後に引退を表明した。Krushを体現する激しい戦いぶりから"The Krusher"と呼ばれ、通算戦績は30戦21勝(11KO)9敗。会見での塚越のコメントは以下の通り。

塚越仁志
「Krushで長年やってきて、こういう形で引退セレモニーをやってもらえるというのは、本当に……今までもずっと感謝してますけど、更にこういう形でセレモニーをやってくれるというのは、ありがたい話です。セレモニーの話をもらったのはけっこう前で、秋頃に話をもらってて、僕ちょっと人前で話したりするの苦手なんで、最初は大宮司さんから話が来た時に『僕はそういうのいいです』とお断りしました。

 その時に大宮司さんが『色んなことを考えて、それは言ってるのか?』と。僕は恥ずかしいからとか、人前で話して変な空気になったりとか、今までもけっこうあったんで、それで嫌だって答えてたんですね。そうしたら大宮司さんに『お前一人で戦ってきたわけじゃないだろ? 色んな人に支えられてたし、Krushがそういう風に言ってくれてるんだぞ? お前にも後輩がいて、お前を見て育ってるヤツもいる。それも全部含めてやらないって言ってるんだったら、やらなくていいよ』と言ってくださったんです。

 それで『ああ…』と思って、自分が人前に出るのが嫌だからとか、そんな程度で答えていたことに、はっとさせられて。最後まで先生の言葉をいただいて、結果、Krushさんで引退セレモニーをやってくださるという形になりました。

(思い出に残っている出来事や試合は?)最初の頃は凄く減量がきつかったですね。後々ウェルター級でやるようになってからはそうじゃなかったんですけど、僕は大宮司さんに憧れていて、大宮司さんから『お前、ライト級でやれよ』って言われていたので、デビュー当初は61.25kg(ライト級)で毎試合やってたんですけど、減量が本当にきつくて……競技が嫌いになりそうでした(苦笑)。

 それで『自分は何のためにやってるんだろう?』とか思うようになって、『これじゃいけない』と思って階級を上げるようになりました。思い出に残っているというか、僕が真っ直ぐ取り組めたのはWILDRUSHリーグからだと思っていて、あそこからどんどん周りの環境も変えてもらったって印象ですね。そこからの試合は全部印象的で、どれというのはないですね。

(引退を決めたきっかけは?)引退を決めたのは、限界を感じたというと簡単すぎるんですけど『これ以上、もっと良いパフォーマンスができるのかな?』と。そう思った時点でそういう方向に向いてたのかもしれないです。あとは周りの環境というか、子供ができたりとか、そういう環境面からもずっと(現役生活は)できることじゃないとか、そういう思いが出てきたところからですかね。でも最後(木村“フィリップ”ミノル戦)まで『これで引退しよう』とかは微塵も思ったことがなくて、そこはやりきったというか、とにかく全力でぶつかりました。

 実は木村戦に向けて色んな作戦を立てて練習していたんですけど、入場する直前に大宮司さんに『自分は思いっきりいきたいです』と伝えて戦って、ああいう結果になったので、納得がいったと言えば納得がいったって感じですね。それで試合の次の日に大宮司さんに『辞めます』と伝えた時に『お前が直前で自分から『こうしたい』と言ってきたのは、渡部太基とやってベルト獲った時と、木村の時だけだよ』って言われて…流石に泣きました。それを言ってもらった後に『良くやった』と言ってもらって、もうやり残したことはないなと思いました。

(今後は?)もちろん第二の人生は始まってて、ずっと僕は会社員でやってたので、今後もその会社でお世話になります。(練習やセコンドにつくことは?)今は仕事が忙しくて出来てないんですけど、時間が空いている時に後輩のミットを持ってあげたり、大宮司さんのサポートをしたいなとは思っています。あとは定期的にジムには顔を出したいです。今、自分がちゃんとできてるのかっていうのを、大宮司さんに会うことで確認できる気がして、だからそれはやっていこうとは思ってます。

(格闘技の経験は今後の人生にどう活きる?)格闘技かどうかはさておき、子供にも僕みたいに一生懸命になれるものを探してほしいですね。本当は子供がはっきりと分かるような時に試合したいという気持ちもありましたけど、そんな気持ちだけでリングに上がるのもどうなのかなと思いました。年末にK-1で武尊と皇治の試合を見て、凄いなとか、華やかだなと思う半面、もうあそこまで真剣に取り組むことが自分の中でできないとも思いました。だから本当にやり切ったなという感じがあります。

(ファンのみなさんへのメッセージは?)3月30日の土曜日に、Krushの後楽園ホール大会で最後に引退セレモニーをやってもらいます。僕は試合はしないし、面白いこととかも多分ないと思いますけど、僕を応援してくれた人もたくさんいますんで、もし良かったら僕がリングに上がる最後になると思うので、ぜひ良かったらお越しいただいて見ていただけたらなと思います。ありがとうございます、以上」