2021.09.24

 2022年1月26日に開催が決まったK-1 JAPAN GROUPの年間表彰式「K-1 AWARDS 2021」。その特別企画としてK-1公式サポーターの関根勤さんがK-1の上半期を振り返ります!

――今回は「K-1 AWARDS 2021」特別企画として、2021年3月~7月までのK-1を振り返っていただき、それぞれの大会のMVPとベストKO賞を選んでもらいたいと思います。まずは、3.21「K’FESTA.4 Day.1」を振り返っていただけますでしょうか?

「今年の前半は日程や会場の変更があって大変でしたよね。早く落ち着いて貰いたいですけど……。この日の大会は外国人選手が強かった! 特に印象に残ったのがヴィトー・トファネリとサッタリ・ウィラサクレック。うわ、強いなー、と思いましたね」

――今年は外国人選手の招聘が難しく、日本在住の外国人選手たちが出場しましたけど「こんな強豪が国内にいたのか」と驚きました。

「そうなんですよ! ただ、この大会のMVPを選ぶなら山崎秀晃ですね。ダントツですよ。彼はプロとして素晴らしい。勝っても負けてもお金が取れる人ですよね。400メートルのドラッグレースみたいな試合をしますよ」

――ジェットエンジンで一気に(笑)。

「相手のエンジンがあたたまる前に加速して倒しちゃう(笑)。ただ、山崎のラッシュに対して不可思が逃げずに打ち合うんですよね。最高ですよ! だから、ベストバウト&ベストKOは『山崎秀晃vs不可思』です。ああいう豪快に倒す試合をみんなにしてほしいけど、それぞれに事情があるのも分かります。打たれるのが怖いとか、パンチ力がそれほどないとか、その中で工夫して自分の戦術に持っていって勝とうと。この日のメインイベントがそうでしたね。王者の江川(優生)君を挑戦者の椿原(龍矢)君がいなして判定で勝って。『アグレッシブさのポイントはどう評価されるのか?』と物議を醸しましたよね」

――そうでしたね。

「あの後、同じような試合があった時、より倒しに行く姿勢が評価されることが発表されて、あの試合がターニングポイントになりましたよね。それで思い出すのが、昔、アーネスト・ホーストが4回K-1チャンピオンになったのに、K-1ホームページのトップページがジェロム・レ・バンナだったんです。それを見たホーストがもの凄く怒ってね(苦笑)。だけど、当時『格闘技通信』の編集長に聞くと『ホーストが表紙だと雑誌が売れないんですよ』って。プロってそこなんです」

――なるほど。

「バンナはGPで一回も勝ったことがないんですよ(笑)。あの人はワンマッチに強かったから。だけど、勝っても負けても面白いから観客は『見たい!』と思う。そういうことなんです。椿原君も強いですよ。でもスーパースターになるには、今のディフェンス力をそのままに、攻撃力をもっと増やしていかないとメイウェザーみたいになっちゃう。だってマニー・パッキャオなんて『打ち合わないんだから全然負けた気がしない。メイウェザーはライバルじゃない』ってはっきりと言ってましたもん」

――勝つには勝つんだけど、という。

「対戦カードを見て、常に前に出て打ちあう山崎がいると『山崎だ!』と思うんだけど、今のままの椿原君だと『また判定かな』となってしまう。強さプラス、観客を沸かせる試合となると、やっぱり武尊選手がNO.1。K-1チャンピオンにはそれが求められるんですよ」

――なるほど。

「あの時点で椿原君が江川君に勝ったことは評価すべきなんですけど、今の彼の試合でワクワクするかといえばまだワクワクは出来ない。武尊や山崎のように対戦カードに名前があると『おー、楽しみだ!』となるかどうか。K-1チャンピオンの宿命で、上手いにプラス、ものすごく強いとかエゲつないとか『強引さ』も求められるから。これから彼がそれを身につけていけば、スーパースターになれる可能性がありますよ!」

――おお!

「椿原君は技術があるから、卜部功也みたいに『アンタッチャブル』の技術にプラスしてパワーを付けていけば、観客を驚かせるKOが出来るようになりますよね。だから椿原君には『メイウェザーになるな、功也を目指せ!』と言いたい(笑)。実際に5月大会の玖村修平戦では、江川戦よりも前に出る姿勢が見えたし、これからの成長が楽しみですよ」

――となると、Day.2(3月28日)はやはり……。

「MVPはやっぱり武尊でしょう! K-Jeeも惜しかったね、あともう少しだったけど。ANIMAL☆KOJIが意外にテクニシャンでびっくりした(笑)」

――こうしてみるとクルーザー級、重量級が盛り上がっていますね。

「いいですよね。京太郎がK-1に戻ってきたのも楽しみだし、やっぱりいろんな階級が見たいですよ。最近のK-1は軽量級が中心だったから、クルーザー級、ヘビー級がどんどん盛り上がってくるのは嬉しいですよ。(対戦カード表を見て)アビラル・ヒマラヤン・チーターは強かった。あと、寧仁太・アリもいいね。海斗も相当強い選手だから、その海斗にKOで勝ったのは大きいですよ。MIKE JOEもびっくりした。もうベテラン(34歳)だけど、手が良く伸びるんです。ただ、スーパー・ウェルター級(70kg)まで減量するのがしんどそうなんですよね」

――神保克哉選手もアピールしていますが、これから選手が揃ってくれば75kg級が新設される可能性もありますよね。

「スーパー・ウェルター級までは落ちないけどクルーザー級だと小さい、という選手もいますよね。75kgが出来たら面白いですよ! あとは島野浩太朗の激闘ね。この試合は勝って、この次は負けてしまって。毎回激闘を見せてくれて面白いんだけど、そろそろ体が心配です。魔裟斗さんも『大丈夫かな?』と言ってましたよ。一度しっかりとダメージを抜いて、また激闘を見せてほしいですよね。あと、金子(晃大)君、西京佑馬君もこれから楽しみです」

――文句なしの大会MVP、武尊選手については?

「やはりスーパースター、見せてくれましたね。武尊選手の試合は、会場で見てる時はものすごく興奮するから分からないんですけど(笑)、家に帰って2回、3回と見直して冷静になってくると『あれ? こんなことしてる。こんなこともしてる』ってローを蹴ったり、いろんなことをしてからパンチで倒していたんですよ。それで武尊選手に会って『実はいろんな細かいことをしてるんだね』と聞いたら『バレましたか? 実は結構、僕、クレバーに戦って、相手を追い込んでいるんです』って(笑)」

――(笑)激闘と見せかけて、実はテクニシャン。

「ただ乱暴に攻めているんじゃなくて、キックIQがものすごく高いんですよ。レオナ・ペタスもいい選手ですよ。武尊選手がやってきた中でも『対日本人』でここまでドキドキした試合もなかったですよ。レオナが、武尊も苦戦した村越をボッコボコにして勝った時は『これは……』っていうね。だから、試合が怖かったですよ」

――日本武道館全体が「武尊が負けるかもしれない……」という緊張感に包まれましたね。

「でもそういう試合で、グイグイ中に入って、自分もレオナのパンチを浴びながら倒してしまうんだからね。武尊選手は本当にスーパースターだなと思うし、今後もなかなか出てこない選手ですよ」

――そうですね。

「僕は武尊選手はKrush時代から見てますけど、当時から『普通に勝ったって試合組んで貰えないんです。派手に勝たなきゃ』って。新人の頃から観客を意識した試合をしてたんですよね。『有名になって、金を稼いで、魔裟斗になりたい』だから、目標がデカいんですよ。『次の試合に勝ちたい』じゃないから。この大会は武尊がMVP、ベストバウトは武尊対レオナ・ペタスで決まりです。凄い試合でした」

――5月大会はガラリと変わって、若手8選手による新階級バンタム級の日本最強決定トーナメントでした。

「そうでしたね。黒田(斗真)がびっくりした! 誰も優勝候補に挙げてなかったんですよね。松本(日向)とか壬生狼(一輝)とか言ってたし、池田(幸司)も挙がってましたね」

――魔裟斗さんが池田選手を優勝候補に推してましたね。

「池田は体がデカかった。バンタム級の選手の中でかなり大きかったけど、その選手を黒田は見事にKOしたから。試合を見てて『一度、道を外れて戻ってきた選手は強いな』って思いましたよ。『やり直したい』っていう思いが強いのかな」

――黒田選手はめちゃくちゃ練習するそうですよ。

「やっぱり練習量なんですよね。東京オリンピックで銀メダルを取った女子バスケットボール日本代表は、朝から晩までずっと練習してて、海外から来た選手はみんな逃げちゃうっていうんですよ」

――練習がキツすぎて(笑)。

「そう。男子だと集中して1時間半とかだけど、女子はずっと練習してて、シュートの体勢に入ると動作を体が覚えてて、3ポイントシュートも簡単に決めてしまう。それが『マッスルメモリー』というそうなんだけど、黒田もそんな感じがしたんですよ。その距離、その体勢に入ると左ストレートを出して倒してしまう。脳で考えて出しているんじゃないと思うんですよ」

――なるほど。

「凄かった。黒田君が出て、倒して勝ったことで盛り上がりましたね。あと、神保(克哉)は危なかった(苦笑)。ブハリに危なくやられるところを逆転したよね」

――女子のMIO対菅原美優はどうですか?

「MIOがKrushチャンピオンの菅原に勝って凄いと思いますけど、課題はやはりKOかな。KANAみたいに倒してくれるといいんだけど」

――K-1の女子というとKANA選手の印象が強いのはKOするところですよね。

「そう、男子の中に入っても見劣りしないんですよ。あと、林健太は強かった」

――MVP、ベストバウトは?

「MVPはトーナメントに優勝した黒田君。ベストバウトは佐野天馬対島野浩太朗です。島野はいつもの激闘でしたけど、佐野も根性がありましたよ」

――次に7月の福岡大会です。

「朝久(泰央)君がよく頑張った! 百何十戦と戦ってきたゴンナパー(ウィラサクレック)相手にね。あの朝久君が最後、ちょっと息が上がってましたよね。日本人相手であんな姿は見たことがないですよ。さすがゴンナパー、打たれ強いし、攻撃力が物凄いし。朝久君、ちょっと足が効いてましたよね」

――ゴンナパーのローキックがいかに凄いかですね。

「そこがゴンナパーの強さなんでしょうね。当てるタイミングとか角度で。でもよく踏ん張って反撃して。朝久君はここ1、2年でグッと伸びましたよね」

――試合の4日前に代打出場が決まって、林健太に勝った試合で一気にタイトルマッチ候補に浮上しましたね。

「そう! あの試合からですよね。年齢的にもパワーが付いて、これからが楽しみですよ。あと、和島君がアビラル・ヒマラヤン・チーターに勝ったのは大きいですよ。和島君はここ1、2年で体がガッチリとしてきて、スーパー・ウェルター級の次のエースかな、と」

――アピールしましたね。

「実方(宏介)選手はいいね! ヘビー級であれだけ器用に蹴れる選手も珍しいし、面白いですよ(笑)。もうちょっと体は絞れそうな感じはするんだけど(笑)」

――京太郎選手に散々いじられてましたね。

「高梨(knuckle美穂)とMARIはいい打ち合いでしたよ。高梨のパンチの上手さはKrush時代から目立っていたけど、MARI選手もパンチが上手いですよね。この試合は女子でもスリリングな試合でしたね」

――高梨選手・MARI選手ともに打ち合いが出来て、クリンチも少ないですし。

「ここでも(西京)佑馬君は勝って2連勝。やっぱり出てきたね。階級を上げて、いい感じじゃないですか。これから期待の選手ですよ。あと、朝久兄弟のお兄ちゃん(裕貴)は?」

――日本と中国で活躍していて、中国の人気選手なんですよね。次の9月大会でMOMOTARO選手と対戦が決まっています。

「弟が先にK-1チャンピオンになって、お兄ちゃんも『自分も』というのがあるでしょうから、楽しみですよ」

――ではMVPとベストバウトは?

「MVPは朝久泰央選手。ベストバウトはゴンナパー対朝久泰央ですね。凄い試合でした」

 

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