2018.07.25

子供から大人までプロ顔負けの熱戦が繰り広げられるK-1アマチュア。このコーナーでは毎大会で選出されるMVP、K-1甲子園・全日本大会の展望を完全ガイド!今回はK-1甲子園2014王者で、今年のK-1甲子園のPR大使を務める平本蓮が大会の見所を語ります!

――平本選手、今回はK-1甲子園2018のPR大使として各階級の見所をお聞きしたいと思います。まずは平本選手の同じ階級=‐65kgから聞かせてください。この階級は史上初の連覇を目指す近藤魁成選手が注目を集めています。

「やっぱり魁成の実力が飛び抜けているとは思います。ただ去年ぐらいから魁成と一緒に練習することがあるのですが、当時の魁成はまだナチュラル(ウエイト)で69kgぐらいしかなくて減量が楽だったんですよね。でも今は身長も伸びて、だいぶ身体がでかくなっているから減量がきついと思うんですよ、だからどれだけ減量とコンディショニングがしっかり出来てるのか。魁成にとってはそこがポイントだと思います」

──平本選手はK-1甲子園2014で優勝してプロに転向しましたが、2年連続でK-1甲子園に出る、しかも前回王者として出ることはプレッシャーも大きいと思います。

「そこは魁成は意外に楽しめるタイプだと思いますよ。僕はけっこうナイーブになっちゃうんですけど(苦笑)、魁成はいけるんじゃないですかね。ただ僕と2014年の決勝でやった佐野(天馬)くんは次の年もK-1甲子園に出たんですけど、準々決勝で近藤拳成くんに負けてるんですよ。佐野くんはプロでも実績があるんですけど、意外にプロの3分3Rのルールに慣れていると、K-1甲子園の1R勝負はやりにくいと思います(※決勝のみラウンド数が変わる)。だからプロでやっている選手にとっては、どれだけK-1甲子園のルールに合わせられるかもポイントになるでしょうね」

──例えば今の平本選手がアマチュアルールで試合をするとなったらやりづらいですか?

「やられることはないと思いますけど、やりづらいのはやりづらいでしょうね。例えばプロのルールではいかにガードして相手の攻撃をもらわないかが重要じゃないですか。でもアマチュアのルールは多少相手の攻撃をもらってもひたすらガンガン前に出てラッシュをかければ勝てちゃうところもあるんですよ。だからもしかしたらプロで経験を積んでいる選手よりも、ずっとアマチュアで試合をしている選手の方がルール的には(K-1甲子園に)向いているかもしれません。実力的には魁成が中心のトーナメントにはなると思いますが…格闘技に絶対はない。先ほど話した通り、K-1甲子園のルールはプロ選手でも負ける可能性があるものなので、プロ選手の壁を崩す選手が出てきてもおかしくないですね」

――続いて-60kgですが、この階級には15名中8名が関西勢となりました。昨年のK-1甲子園も全3階級を関西勢が独占しましたが、平本選手は関西の選手のどこに強さを感じていますか?

「去年の‐55kgで優勝した椿原(龍矢)くんがいる月心会さんの選手はK-1アマチュアやK-1甲子園のルールで戦ったらめっちゃ強いと思うんですよ。だから今年も月心会さんから優勝者が出るかもしれないですよね」

──平本選手は月心会の選手と対戦したことはないですが、具体的にどこがK-1アマチュア・K-1甲子園のルールに合っていると思いますか?

「例えば椿原くんは一発が特別あるわけじゃないのに、西京(春馬)くんやうちの(軍司)泰斗も負けている。僕がこの2人と戦った試合を見ていて思ったのは、西京くんや泰斗が一発強い攻撃を出すと、椿原くんは3発ぐらい連打を返すんですよ。多分そこまで効く攻撃ではないと思うんですけど、こっちが一発打ったらそれに合わせて何発も打ち返してくる。それをやり続けるスタミナもあるし、月心会さんの選手はみんなそういうファイトスタイルですね。1R勝負でラッシュ力が重要になってくるK-1甲子園のルールに合っていると思います」

──なるほど。アマチュアの実績という部分では山浦力也選手はK-1アマチュアの全日本大会を3連覇しています。

「この年齢でプロ選手と言っても10戦やっている選手ってほとんどいないじゃないですか。だったら逆に山浦選手みたいにK-1アマチュアで経験を積んで何度も優勝している選手の方がひょっとしたら…っていうのはありますね。あと僕はK-1甲子園だったら体格もデカいと思うんですよ。プロだったらリーチ差があっても時間を使って距離を潰して…という作戦を立てられますが、1Rの一発勝負でリーチを埋めるのは難しいんじゃないかな。だから僕はK-1甲子園では選手の身長も大事だと思います。それでいくと1年生の頃は背が小さかったけど、3年生の時に大きくなっているというパターンもあるし、去年まで中学生だった高校1年生と高校3年生の体格差は結構あると思います。それでいくと…月心会さんで練習している野田哲司くんはK-1アマチュアで優勝歴もあるし、身長も176㎝あって、学年も3年生じゃないですか。僕は野田くんに注目していますね」

──そして-55kgはエントリー人数が27選手と参加者が最も多く、プロ経験者からアマチュア大会で実績を残している選手も多く、激戦区になりました。

「(トーナメント表を見ながら)決勝に行くまでに3~4試合勝たないといけないので過酷ですよね。僕がK-1甲子園に出た時も決勝まで4試合やったんですけど、その時に意識していたのは、とにかく動き回って細かくパンチを当ててリングを使って戦うことだったんです」

――先ほど平本選手は「1R勝負でラッシュ力が重要になってくる」と言っていましたが、それとは違う戦い方をしたということですか?

「そうですね。それは僕のファイトスタイルと関係していて、僕はパワーで一発でなぎ倒すようなタイプじゃないから、そういう戦い方は合わなかったんですよね。だったら自分のスタイルは崩さず、一発も相手のパンチをもらわずに攻撃をよけまくって、強いジャブとかを当てて相手の顎を上げさせれば、それがポイントになると思って戦いました。相手のラッシュに巻き込まれてやられるリスクもあったと思いますが、僕の場合は変に自分の戦い方を変えることなく、ダメージをもらわずに疲れずに勝ち上がることを意識してやりました。

 ただ僕はムエタイルールのアマチュア大会に出ることが多くて、ムエタイルールの試合はミドルキックの蹴り合いになるんですよ。相手のミドルをカット・スウェーしてミドルを蹴り返せばポイントになるんで。でもK-1アマチュアやK-1甲子園のルールはミドルキックよりもパンチがポイントになるから、ミドルの蹴り合いよりもパンチを当てないといけない。例えばミドルキックをブロックしてパンチを返す…というのはムエタイ的にはポイントにならないんですけど、K-1ルールはそっち(パンチを返している方)がポイントになるわけです。だからムエタイ系の選手はK-1ルール用に戦い方を変えないといけないし、ルールの違いを熟知しているかどうかも差になってくるでしょうね」

――なるほど。アマチュア大会で実績があると言っても、どういうルールで戦ってきたかも影響するわけですね。

「はい。1Rでローキックを効かせるのは難しいし、そうなると必然的にパンチができないとK-1甲子園では勝てないですよね。あとこれはK-1甲子園を戦った選手ならではの情報なのですが、K-1甲子園はヒザ当て・すね当てをつけて試合をやるじゃないですか? だから足の裏(中足部分)で蹴る三日月蹴りや顔面前蹴りは有効なんですよ。防具が関係ないから」

──ああ…なるほど!

「だから僕は空手出身で前蹴り系の技が得意な選手はけっこう有利なんじゃないかな?と思っています。あとヘッドギアがある分、顔面への攻撃を効かせるのは難しいから、ボディを効かせられる選手も有利だと思います」

――こうしてお話を聞いているとK-1甲子園にはK-1甲子園の戦い方・勝ち方があるようですね。

「ルールの対策をしつつ、自分の武器を最大限に生かす。これが一番でしょうね。さっき話した通り、僕だったら足を使って的確に強い攻撃を当てる方が良かったし、パワーに自信がある選手はパワーに頼って戦ってもいいと思います。実際、篠原(悠人)選手や横山(巧)選手はパワーを活かして、一気にパワーで持っていくみたいな試合で勝ち上がっていきましたよね。やっぱり最後は自分のスタイルを信じることも大事だと思います」

──改めて貴重なお話を聞かせてもらいました!それでは最後に出場選手、そしてファンのみなさんにメッセージをいただけますか?

「出場選手のみなさんには決勝まで勝ち残るかどうかで全く違うと思います。決勝まで行けばさいたまスーパーアリーナ(コミュニティアリーナ)のリングに立てますし、そこで優勝すればプロになってからのチャンスが広がるので、優勝を目指して頑張ってほしいです。そしてファンのみなさんには、これだけレベルが高いトーナメントなので、仮に決勝まで進めなくても、のちにプロで活躍する選手がたくさんいると思います。僕が出た2014年は一階級だったこともあるんですけど、佐野天馬くん、篠原悠人くん、西京春馬くん、朝久兄弟(裕貴・泰央)が出てましたからね。今考えるとむちゃくちゃ豪華じゃないですか?」

――確かに!今ではK-1・Krushのトップ選手で活躍している選手たちばかりですね。

「だから試合を見ていて『この選手強いな!』と思う選手がいたら、もし決勝まで勝ち残れなくても注目していて損はないと思います。みんなで今年のK-1甲子園を楽しみましょう!」