2018.05.10

 宮田充K-1プロデューサーが大会のテーマ・総括など、プロデューサーとしての目線で語るコーナー。今回は宮田プロデューサーの「Krush.88」5.17(木)後楽園大会の見所インタビューをお届けします!

――今大会の見所について宮田プロデューサーにお話をうかがいたいと思います。今大会はどんな対戦カードが並んだと思いますか?

「まずはヘビー級ですね。今回と、5月26日の『KHAOS』と合わせて8選手に出場してもらって4試合を組んで、残念なことにK-Jee vs小西拓槙(K-Jeeの負傷欠場による)はなくなってしまったのですが、どのくらいヘビー級の機運が高まるかに期待しています。今大会で言えば、愛鷹亮くんは昨年の名古屋大会と11月のK-1に出てもらって、今回はBigbangのチャンピオンとして出場します。対戦相手の杉本仁くんも伸びてきている選手なので、ヘビー級の日本人対決として非常にいいカードを組むことが出来ました。前半戦のカードでいくと…個人的に弾けるんじゃないかと期待しているのは里見柚己vs川口拓真ですね。里見くんはK-1ジム横浜infinityのトップ選手として戦ってきて、川口くんはK-ジム総本部でチャンピオンクラスの選手たちに揉まれて強くなってきている選手です。それぞれのジムの背景も含めて、興味深いカードだと思います」

──里見選手は2月のKrushで小澤海斗選手の左ミドル一発でKO負けしてからの再起戦&階級をあげての一戦ですし、川口選手は今回が本戦初登場です。二人にとって様々なテーマがある試合かなと思います。

「確かに! あとはスーパー・フェザー級、大岩龍矢vs友尊はおそらくゴツゴツした試合になるでしょうね。友尊くんは昨年8月以来の復帰戦で、大岩くんも『K'FESTA.1』で良さが出きったかといえばまだまだだと思うんですよ」

――大岩選手は1月の闘士選手でダウンを奪って勝ったものの、「K'FESTA.1」では横山選手を倒しきることができませんでした。

「試合を見ていて…どこか余力を残してしまっている気がするんですよね。友尊くんと相性は悪くないと思うのですが、ここで接戦になるのかどうか。少なくとも友尊くんはガンガンいくと思うんで楽しみですね。所属は違いますが、友尊くんにとっては練習仲間の闘士くんのリベンジというのもありますからね。あと大沢文也vs“バズーカ”巧樹もけっこう楽しみなカードです。大沢くんはライト級に上げて連勝中、バズーカくんも前回はベテランの稲石竜弥くんを破っています。バズーカくんからすると曲者との戦いが続くんですけど、ここで大沢くんを突破したら、そろそろベルトが見えてくるかなと。大沢くんも最近は集中力を切らさずに一生懸命戦っているので、僕はそろそろここで大沢くんのKOが見たいです。あと寺崎直樹vs松下大紀は会見で話したとおり、寺崎くんの試合だと思うんですよ。連敗が続いている松下くんは試合で弱みが出てしまって、戦うごとにスランプを感じている状況です。そこで寺崎くんと戦うことで何か気づきがあったり、火がついて欲しいんですよね」

──寺崎選手も連敗している時に、引退カウントダウン中の梶原龍児さんと試合をして、そこで好勝負を繰り広げたことで復活した過去があります。

「そうなんですよ。“戦う”ことは決して楽しいだけじゃない。松下くんはファイターとして時間はあると思うんですけど、今は迷路に入り込んじゃってるじゃないですか。だったらもう余計なことは考えず1秒でも早く相手を倒すという気持ちで、良い試合をしようとか全く思わなくていいし、下手な小細工なしでやって欲しいです。あとのカードで、スーパー・バンタム級に絞った桝本"ゴリ"翔也vs大岩翔大は、桝本くんがスーパー・バンタム級まで絞って、それまでのパワーやパンチ力を保てるかどうか。どんな身体に仕上がって、どんな動きを見せるのか楽しみです。大岩くんも昨年『KHAOS』からKrushで頭角を現してきたのですが、12月のK-1後楽園大会で軍司(泰斗)くんに敗れてしまった。この試合はKO決着になると予想していますし、今後のスーパー・バンタム級の流れを考えると、ここできっちり勝てるかどうかは2人にとって非常に大事ですね。

(対戦カード表を眺めて)だから今回は『ハマったら面白い!』や『噛み合ったらとんでもないことになる!』と思わせる試合が多いですよね。この大会に出る選手はみんないいもの・光るものを持っている一方、今ひとつそれを出しきれないところがある。どの選手も、もっともっと上を目指せる選手たちだと思うので、今回の勝負を飛躍のきっかけにしてほしいですね」

――スーパー・ライト級次期挑戦者決定トーナメント決勝戦は篠原悠人vsFUMIYAの再戦となりました。両者は昨年10月の「KHAOS」で対戦し、この時は篠原選手がKO勝利しています。

「FUMIYAくんはこの短期間で本当に自信をつけてきました。篠原くんはもちろん過去に勝った自信があるとは思いますが、前回の中村広輝戦のように今のFUMIYAくんは試合をひっくり返す力がある。今のこの2人であればスーパー・ライト級の次期挑戦者決定戦に相応しいカードですし、2人にとっても去年一度『KHAOS』で試合をしたことが活きていますよね。『KHAOS』を開催している新宿FACEという会場は、ハマったら物凄いド突き合いになりやすい会場で、前回の篠原vsFUMIYAの沸き方も凄かった。今回も、あのときぐらいのテンションで勝負してくれたら、会場は大爆発するでしょうね」

――お互いに前回の対戦から2戦して2勝という形での再戦になります。

「篠原くんは判定勝ちが2つ、FUMIYAくんはキャリアが上の相手にKO勝ちが2つ。勝ち方がそれぞれ違うことも興味深いですし、この試合の先に中澤(純)くんに挑戦するという流れがあるのもいいですね。再戦するタイミングはその時々で色々ありますけど、篠原くんとFUMIYAくんに関しては1年後や2年後ではなく、半年という短いスパンでやるからこそ興味深いカードかなと思います。また半年前に『KHAOS』で戦っていた2人が、Krushのベルトの挑戦権をかけて後楽園のセミファイナルを取るとは思っていなかったので、K-1 JAPAN GROUPで頑張ってきた選手が勝ち上がってチャンスを掴むという意味でも嬉しいです」

――そしてメインイベントでは女子フライ級王者のKANA選手が初防衛戦を迎えます。

「挑戦者のキム・タウンセンドはオーストラリアの選手で、ムエタイルールで幾つもベルトを持っている選手です。すごくバランスがいいファイターで、どちらかと言えばムエタイ系で蹴りが得意なファイターですね。KANA選手としてはあまり対戦したことのないタイプだと思うので、そういった挑戦者をどう攻略するかですね」

――KANA選手自身、昨年12月にKrush王座に返り咲き、K-1初参戦を経てのKrush凱旋になります。

「KANA選手に関してはベルトを奪回して、K-1にも出て。でもそのK-1ではハイキックでダウンを取ったけれど倒しきれなかった。今回は当たり前にメインイベントで試合を組みましたし、激戦が予想される大会でどうメインを締められるか。3月のK-1で倒しきれなかったことを本人も非常に悔やんでいて、あれからまた進化した姿を見せてほしいですね。8月の名古屋大会への出場も決まっていますし、KANA選手もKrushでの王座防衛の先にK-1再出撃も狙っていると思うので」

──去年のKANA選手は1月にタイトルを失って、基本的で追いかける立場で1年を過ごしたと思います。今年はKrush王者として、K-1に参戦した女子ファイターとして、昨年とは違うテーマで試合が続いていくことになりますね。

「そうですね。今はKANA選手のライバルがいない状況で、対戦相手や挑戦者を実力のある外国人から選んでいます。特定のライバルはいないけれど色んな国の選手と戦うという中で、KANA選手には孤高の強さを見せてほしいですね。KANA選手には彼女の後にK-1・Krush女子の新しい道を創るぐらいのつもりでやって欲しいです」