2017.08.10

宮田充K-1プロデューサーが大会のテーマ・総括など、プロデューサーとしての目線で語るコーナー。今回は「Krush.78」8.6(日)後楽園大会を総括します!

――「Krush.78」も大盛況のまま終わりました!大会全体を振り返っていかがでしたか?

「ダブルメインイベントの2大タイトルマッチが熱戦になって、ファンの方々の評判が良いので、ホッとしています」

――後半3試合は全て判定決着でしたが、判定決着を感じさせないスピード感がありました。

「2大タイトルマッチは共に王者がベルトを守るのが難しいという下馬評の中での試合でしたが、佐々木(大蔵)くんも中澤(純)くんもベルトを獲ったことで強くなっている所を見せてくれましたね。ベルトを守る戦いの中で、佐々木くんはしっかりダウンを取って、中澤くんも気持ちが切れずに戦って、王者としてしっかり受けて立ちましたよね。

 中澤くんは他団体からKrushに参戦してきて、佐々木くんは勝ったり負けたりの試合が続く中で平本(蓮)くんとの-63kg王座決定戦でベルトを獲って、2人ともそれぞれベルトに対する強い想いがあったと思います。その中で2人ともKrushにおいてトップだということを証明したと思います。逆に敗れてしまった谷山(俊樹)くんと左右田(泰臣)くんは外からきたイメージがある選手で、今回はKrush以外のリングで実績を残す選手がベルトを獲れなかったという部分で構図が似ていたタイトルマッチでしたよね。これは狙った訳ではなく、たまたま同じ日になっただけなんですけど」

――四者四様のタイトルマッチでしたが、今後はどんな展開になっていきそうですか?

「中澤くんはK-1に出場したことがなくて、K-1に出場したいと公言しています。逆に佐々木くんは今年2月に初めてK-1に出て初代ライト級王座決定トーナメントの一回戦でウェイ・ルイの前に散ってしまいましたが、あえてK-1に出場したいと言わないのがまたいいなと思いますね。2人ともKrush王者なので、K-1に出場する資格は充分ありますし、お客さんに面白いと思ってもらえるタイミングでK-1で試合を組めたらいいなと思います。

 K-1は、Krushとも違う流れがあるので、出てもらう以上は“点”で終わるものでは良くないなと。タイミングと相手、まずはそこを考えたいです。もちろんKrush王座を守りながら戦っていくことは2人に共通なことですし、特に中澤くんは今回ベルトを初防衛をしたことで、近い将来にK-1にデビューすることは確実だと思います。あと、気になるのは左右田くんの今後ですね。ずっと「『Krushのベルトは踏み台』と公言し続けていました彼が、次の一歩をどこに踏み出すのか。今回のように、戦いにテーマを持たせることは左右田くんにしか出来ないことだと思うし、左右田くんの次は、一人のファンとして楽しみですね。

 谷山くんもBigbangというホームリングがありますが、ここは絶対にKrush勲章を手に入れたいという気合いが入っていたと思います。まだ28歳と若いですし、今後タイミングが合えば、ベルト絡みではない試合に出場してもらうのもありかなと思います。もちろん勲章を持っている選手なので軽い扱いはできませんが、色んな相手との戦いも見てみたいですね」

――-60kg次期挑戦者決定トーナメント決勝の郷州征宜VS大沢文也も激しい試合になりましたね。

「郷州くんが1Rに奪ったダウンが結果的に勝負の分かれ目になりましたね。郷州くんは、(安保)璃紅くんに敗れた試合がいまひとつの試合だったんですが、今回の試合ではゴリゴリ戦ってダウンも奪いました。大沢くんも、もしかしたら逆転勝利があるんじゃないか?って思うぐらいに最後の粘りがすさまじかったですよね」

――今回の結果により半年という試合間隔で王者・安保VS挑戦者・郷州のタイトルマッチが決定しました。

「前回の郷州VS安保(-60kg王座決定トーナメント準決勝)は、璃紅くんが挑む立場でしたけど、今度は郷州くんが挑む立場で、璃紅くんがベルトを守る立場での再戦になったことは興味深いですね。結果的にすぐに再戦するのが、お互いにとって燃える材料になる顔合わせになったのかなと思いますね。敗れた大沢くんに関しては、勝負に“たられば”はないですけど、前日計量でしっかり一発で計量をクリアしてコンディションが良ければ…という試合だったかもしれません。このトーナメントは膝にサポーターをしたり、不完全な体調でガムシャラに戦って、あれだけ良い試合をしたわけじゃないですか。

 僕はずっと大沢くんの試合を組んできて、もちろんこれからも試合を組んでいきたいですけど、長く戦っていくことを考えるならもうちょっと減量の方法を考えてほしいですね。身体に負担がかかる調整を続けていると身体を壊しかねないですし、-60kg王座決定トーナメントと-60kg挑戦者決定トーナメントの両方に出場しているので、ここで一段落ついて次はテーマの変わる試合になると思います。そこに向けて、調整の仕方や体重も含めて考えていってほしいなと思います」

<後編>に続く